革持ち手の赤染手提げ籠バッグは、じわりじわりと人気になってきた。革持ち手の色合いを最初は黒かコゲ茶などバッグ本体とは少し違った方がよいかと考えていたが、見慣れてきたせいか結構似合うように感じている。元々は持ち手に使っていた良質の太い籐素材が、全国的に品薄で手持ちがなくなったせいで苦肉の策ではあったものの「怪我の功名」だったかも知れない。
赤染めと言っても竹が自然素材でそれぞれに個性があるので、同じように染めても仕上がりは当然微妙に異なる。近年の温暖化など気候変化にて虎竹は色付きが芳しくなくなっているけれど、たとえ虎模様が若干控えめの竹だとしても染めると他の竹材と同じように使えるので、バンブーロスを防ぐのには有効な手段なのだ。
これがガスバーナーで油抜きをしたばかりの虎竹なので染め籠と見比べれば違いは一目瞭然だと思う。
底編みには幅広の竹材を差し込んで仕上げていく。
今回は、この虎竹赤染革手提げ籠バッグが編み上がるまでを時間をかけて追いかけて、熟練職人の技を皆様にご覧いただけるようにした。自分達では当たり前に思っている事も、竹細工をあまりご存知ない方々からすると驚きや感動が発見できるのではないか?そして、意外と手間のかかる仕事ぶりを知っていただく事で、国産竹籠バッグの価値を見直してもらえる機会となれば嬉しい。
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