竹は、あまり知られていないのだがイネ科である。竹林での部分開花は結構頻繁に見られるので昔から珍しい花が咲いたと職人さんが持って来てくれるのだが、まさにイネ科を裏付けるように竹の花は稲穂そのものなのだ。そんな訳で、世界的にも美味しいお米が実る日本は竹の生育にも最適の地であり、メリハリある四季が竹を向上させ最高の品質だと思っている。
しかし、小さいながらも南北に長く、美しい自然の残された日本には竹の他にも地域性のある素晴らしい素材が多彩で面白い。たとえば先日ご紹介した七島藺(しちとうい)円座、円座と言ってもイ草、菅、わら、ガマ、アダン、そして今日の動画でも皆様にご覧いただきたい月桃など何とバラエティーに富んでいる事か!この多様性が日本の豊かさなのかも知れない。
月桃には殺菌作用があり、香料として利用されるほど良い香りがするので円座の他にも生活道具に使われる素材だと知ったが、自分が元々関心を持ったのは炎天下で収穫される大きな葉を見てからだ。高知の郷土料理に出てるリュウキュウ(ハス芋)のように太い茎は刃物でサクッと簡単に伐り倒す事ができる。
ところが、その素材を乾燥させて編み込めば強く座り心地のよい円座になるのだから凄いのだ。つくづく自然素材と先人の知恵には感服するほかない。
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