虎竹や白竹のピクニックバスケット、ランチボックスは四角形あり、長角あり、特大サイズ、二段になったもの、三段になったものと、お使いいただく方の人数やシュチエーションに合わせて色々とお選び頂けるようになっていて見ているだけでも楽しい。
ただ、多くの竹細工に囲まれていて毎年時期がやってくると気にしているのが竹の食害である。これは同じ角型でも祝儀籠と言って、婚礼が決まると鯛の尾頭付きを入れて持参するための竹細工だが、持ち手に小さな穴が開いて粉が噴出している。これは一番良く目にするチビタケナガシンクイムシの仕業だ。
店頭に置いてある竹製品よりも、自分が個人で保管するサンプルや試作も兼ねた竹籠も注意が必要だ。資料館以外でこんなに様々な素性の分かる籠(いつ、誰が、何処で、どんな竹で編んだものか)が集まっている所はないのではないかと思うが、それだけに定期的に見回っていると、このような虫が喰った跡を発見する。
十文字に入れられた力竹から同じ形に虫の粉が落ちている。屋外で使う竹垣や袖垣、あるいは装飾用の竹材には薬剤が使用される場合もあるが、竹籠やざるにはもちろん使用しない。それでは、どうするのか?熱湯処理である、一度や二度ではダメな事も多いので様子を見ながら根気よくやらねばならない。
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