先日の30年ブログで塩取り籠の事をお話しさせていただき、YouTube動画もご紹介させてもらっていた。動画を撮影するにあたって小さい頃に、虎竹の里の山や竹林、流れる谷川や海で遊んだ事を色々と懐かしく思い出した。そして、そう言えばほんの数十年の事なのに大きく変わった事のひとつに川の水量があると改めて考えている。どうした理由だろうか?山の保水力と言っても、当時から山の木材を沢山伐り出しているという事もない。
しかし、自分の小さい頃には一年通して豊かな水の流れがあり、夏場は海よりも川で泳いだ記憶がある。ドラム缶を縦に沈めて足場にしていたので深さも結構あったはずだ、そうそう竹筏で川下りをして、そのまま海に出た事もあった。あまりに楽しくて、雨の日でも傘をさして海で遊んでいた。海で雨が降ると景色が全く違う、視界が悪くなる事もあったので今思えば少し危険だったかも知れない。筏だけではない、竹虎の工場に転がっていた2~3メートルの孟宗竹を股にはさんで一人筏で競争したこともある。
海があり、山があり、川がある大自然の中、鮎やハヤ(ウグイ)、鰻が沢山いて、鰻については筌で毎朝捕っていた話を時々するけれど、小魚は手づかみした事もあるので、それだけ魚影が濃かったのだ。塩取り籠の動画で思い出しのがタンナ(ヤマトテナガエビ)だ。「チャン」をご存知だろうか?恐らく今でも使われているかと思うが鉄砲の形をした魚突きで、これを使って競うようにタンナを捕った。
焼いたら真っ赤になってアツアツが旨い。これに海水を煮詰めて塩を作って食べようと相談した事があったのだ。浜辺に転がっていた鍋で海水を沸かして水分がなくなってみたら確かに塩は残っているのだが、鍋にひっついてしまって想像とは随分と違っていた。こうならない為に竹編みの塩取り籠があるのである。まあ、その時は塩の結晶らしきものをこそげて何とか食べたが、その時の記憶はない。友人のお姉さんが台所のコンロで焼いて楊枝に刺してくれたタンナは味の素でも振りかけていたのか、とても美味だった。
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