もちろん、ただの黒竹筒ではない。節のところに切れ目が見えているけど蓋になっていて中には虎竹耳かきを入れている。欧米では耳かきの習慣がないようなので、この気持ちよさを知らないのは損のような気もしているが、そんな呑気な事も言っていられない。実は大量に作って置いてあったつもりの在庫が知らないうちに売り切れてしまっていた。
虎竹耳かきは何とか間にあったものの、黒竹筒が出来あがらない。竹屋は「夏痩せ」ではなく、冬場が竹の伐採や仕入れで忙しいから「冬痩せ」と言われてきたのだが、暑い季節はそれなりに竹の需要が高まるので、やはり忙しく「夏痩せ」もするのだ(笑)。
手仕事は手際の良い事が大事だが、急がない、急がせない事がもっと大事だ。黒竹筒の材料となる竹材を矯めるベテラン職人の技でもご覧いただきながら気長にお待ちいただきたい。
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