新しく仲間入りした虎竹赤染革手提げ籠バッグがある。虎竹の色づきは自然の意匠なので実に様々だ、最近「バンブーロス」という言葉を使うようになったけれど、虎模様の少ない虎竹にもしっかりと活躍できる場を用意したいと考えた時に、染めという技法はひとつの解決になる。
特徴的なのは染めだけでなく持ち手部分にある。今までの手提げ籠は丸籐を使う事が定番であった、丈夫で持ちやすい秀逸な素材だ。籐は竹細工で唯一海外から輸入されている部材だが、近年は良品が少なくなって来た、特に竹籠バッグ用になるような太くて頃合いの籐が少なくなっている。
これには少し困ったと一瞬戸惑ったけれど、籐持ち手ばかりでなく新しい革持ち手にチャレンジできて、結果的には面白い買い物籠に仕上がった。
編み込み、底部分のあしらいや四隅の籐かがり、口巻など、ずっと虎竹と向き合い続けてきた熟練の技を見ると親しみが沸いてくる。昔から変わらない、しっかり編まれた籠が新しい定番となれば良いと思っている。
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