「竹は、作る人と使う人で完成するものなんだよ」江戸の篠崎ざる

 
東京上空から荒川を見る


高知から羽田空港へ飛ぶ飛行機のルートは、その日によって変わるようです。東京湾方向から着陸していたはずが、今日は大都会の上空を飛んで滑走路に向かっています。眼下に見えてる大きな河川は江戸川でしょうか?かってあの河川敷には護岸用にもなっていた篠竹が茂っていて、その竹を使った竹細工の一大生産地がありました。今となっては「篠崎」という地名に当時の名残を感じるだけですが、その土地で最後まで竹編みの仕事をされていた職人を思い出すのです。


篠崎ざる


「ウチのかごは、これだけ丈夫なんだよ」そう言って、ご自身の編んだ竹籠をひっくり返したかと思うと立ち上がり、籠に飛び乗った時には本当に驚きました。200軒もの竹籠屋が軒を連ねていた地域で技を競い合った職人のプライドが伝ってきました。竹は江戸っ子気質にピッタリだと話されていた通り、竹を割ったような気持ちのよい方でした。


篠崎ざる


篠崎ざるの特徴的な「外縁」は持ちやすく、中に入れて洗った食材を他の籠に移しやすい実用的な作りです。もちろん、たとえ籠の上に飛び乗ってもビクともしなかった堅牢さの秘密でもあります。懐かしい画像を見ながら、機内から撮った河川を調べてみらた、どうやら荒川のようです。左手に中川があり、更にその横を流れるのが江戸川でした。


YouTube動画で伝統の竹細工と現代的な竹籠の違いをお話しさせもらいました。竹は世につれ、人につれ変化してきました、改めて竹職人の忘れられない言葉を思い出します。「竹は、作る人と使う人で完成するものなんだよ。」




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