竹の地下茎レーダー

筍


手入れがしっかり行き届いた竹林は本当に気持ちが良いものです、ウグイスの上達した鳴き声を聞きながら進んで行くと筍がようやく顔をのぞかせていました。高知では孟宗竹の筍は既に大きく伸び上がっていたり、皮を落して竹になりつつありますから、さすがに北の筍は気温が低いとみえて少し遅いようです。


イノシシの食害にあった筍


京都など名産地の筍は地面の下にあるうちに収穫していますが、それは筍が空気に触れて光が当たると硬くなるからです。だから、この竹林で一番のグルメは、どうやらイノシシかも知れません。土中にある柔らかくて美味しい筍を鋭い嗅覚で探り当て食べてしまっています。


淡竹の筍、竹虎四代目(山岸義浩)


筍は、まず孟宗竹、その次に淡竹、真竹と続きます。暖かな虎竹の里では孟宗竹はおろか淡竹の仲間である虎竹の筍もグングン伸びています。今シーズンも沢山の筍を頂きました、しかし食したのは全て孟宗竹であって虎竹の筍は今まで一度も食べた事はありません。淡竹なので絶対に美味だと思うのですが、虎竹はやはり多く成長させてから伐採する竹なのです。


竹


さて、初めて案内頂いたちょっとだけ小振な北の竹林。あちこちに曲りくねって伸びる生命力の塊のような竹根の見える山道を歩いて、竹はやはり魅力的だと改めて感じます。


竹根


先日の30年ブログでお話したように竹は無数の竹根で繋がり助け合って生きています。昔から地震の時には竹林に逃げろと教わってきたように、まさに天然の鉄筋コンクリートのようなのです。縦横無尽に地下茎が走るからこそ、地殻の変化に敏感に反応して開花すると言う話も聞きます。


そうなれば地下茎は土の中に張り巡らされたレーダーのようです。敏感に変化を感じて人間に知らせるために竹は花を咲かせているのでしょうか?120年に一度しか花が咲かないという神秘さから開花は不吉な事の前兆ともされてきました、真偽はさておき備える心は必要です。


コメントする