自分が履いているのは竹皮草履ではありません、七島藺(しちとうい)と言うイグサに似た素材で編まれた草履です。とても良く編まれていて鼻緒もソフトで履き慣れない方にも痛くならずにご愛用いただけるのではないでしょうか。ただ、少し足裏への刺激が優しすぎて竹皮草履のサラリとした感触がモノ足りなく思います。そこで、硬めのEVAスポンジを貼ってスリッパタイプにしてみる事にしています。
実は七島藺に辿り付くまでには、祖母から受け継いだ機織り機を使いイグサ縄で籠を編む岡山県の須浪亨商店さんがありました。元々はイグサ栽培の盛んな地域と言うことでお伺いしてイグサの香りに包まれた瞬間に母の実家が高知県は土佐市で栽培していたイグサや製造していたゴザの記憶が蘇りました。
興味が沸いてきたイグサを見ていて、ふと思い出したのが随分前に聞いた事のある七島藺(しちとうい)だったのです。イグサに似ているものの実はカヤツリグサ科という全く違う植物で、350年もの歴史がありながら現在では国東半島で10軒足らずの農家さんが栽培するだけになっています。
イグサの5~6倍もの摩擦強度があり、耐火能力も備えている七島藺が衰退したのは、三角形の断面をした草の形が大量生産する機械化に向かなかったためと聞きました。
ところが、やはりこれだけ長く愛されてきた素材です。刈り取り作業の写真を手にすると小さい頃に母の実家で見た真夏のイグサ収穫とそっくりです。懐かしい光景だなあと思っている中で面白いスリッパにも出会いました。
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