その竹職人の仕事場には古い鳥籠が仕舞われています、確かヤマガラを飼っていたと言います。自分も小さい頃にはメジロやウグイスを飼育していましたが、コバンと呼んでいた小さな鳥籠を使っていました。現在では禁止されている野鳥の飼育も、田舎ではずっと昔から当たり前のように楽しまれていて、どこの友達の家に遊びに行っても美しい鳴き声を聞かせてもらっていたものです。当然、このような竹ヒゴを使った鳥籠作りの職人さんは、それぞれの村に一人や二人はいました。
野鳥を飼う事が禁止されてからも職人さんの工房には楽しそうな小鳥たちの遊ぶ声が絶え間なく響いてきます。それは安心して子育てできるようにと自宅周りにこのような巣箱を何カ所にもかけているからです。
庭先にはご自身が植えた色とりどりの花が開き、すぐ横に広がる竹林の竹葉は青空に美しく映えています。筍堀に向かう道沿いにも可愛い草花が咲き乱れる中、昨日の30年ブログでの牧野富太郎博士の言葉を思い出しました。
「植物を愛すれば、世界中から争いがなくなるでしょう。」花を愛で、小鳥のさえずりを楽しみながら四ツ目籠を編む姿は、まるで別世界のようです。
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