山葡萄の花編みブローチ

古い山ぶどうトートバッグ


ある時、スーツ姿の男性がトートバッグをもって颯爽と歩くのを見かけてから、ずっと手提げバッグが気になっていました。まずは、ダレスバッグ等を使いつぶすくらい愛用してきた国産鞄メーカーさんにお伺いしてみました。この鞄屋さんは、会社が小さい頃から社長さんに親しくしていただいています。上京した時に時間を作って実物を触らせてもらいます、海外ブランドのお仕事をする機会があったのでついでにバッグを見てみましたが、どちらも自分にはしっくりきません。


まあ、もちろん365日作務衣なので似合う革バッグなどないのでしょう(笑)。そこで10年近く持っていなかった山ぶどうを改めて見直すことになったのです。これは元々背負い籠だったものを譲り受けて一部を補強してもらうと共に持ち手を取り付けてもらっていました。使い込んだ山ぶどうは上質な革のような風合いだと、いつもお話しますが強さも尋常ではありません、自分にはこれがベターな選択のようです。


くるみ手提げ籠バッグ


山ぶどうは、海外生産が多くなったからか昔ながらの職人手作りのものからデザイン性の高い籠が増えてきて実は関心が薄れていました。しかし、やはり今でも自分の山を愛し、誇りをもって編み出される山ぶどう買い物籠やクルミのバッグには温かみを感じます。


山ぶどう手提げ持ち手


クルミは山ぶどうに比べると耐久性で劣ります、そこで本体の編みはクルミでも持ち手のジョイント部分には山葡萄を使う職人さんがいます。使う人への思いやりは地味ですが、派手な見栄えより何倍も好きです。


山ぶどう花編みブローチ


お客様が愛用されている持ち手の修理をお願いしました。傷んだ部分以外のまだまだ使える所もやり替えなければなりませんでした。そしたら、その取り除いた山葡萄の蔓でペンダントを作って添えてくれています。世界が大変な時だから尚更、このような日本の素晴らしさを感じています。




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