虎竹枝折戸の小さな割れ

虎竹枝折戸


庭の出入り口で簡易な戸として使われている枝折戸(しおりど)という竹製品がある。これも他の庭園関連の竹袖垣などと同様に生活様式の変化、輸入品の増加で年々製造数が少なくなってきている。それでも、ずっと作り続けてきた物であるし職人も内職さんもいるので製造しない訳にはいかない。

 
虎竹枝折戸製造


減少と言っても全国から頂く引き合いのお声には応えたいので、製造管理をしているつもりでも気がつけば倉庫には結構な量の在庫があったりする。


枝折戸の割れ


そこで、このような竹割れが発生してしまう。竹割れは使用には全く問題ないけれど、当然お客様に販売されることなく保管場所の奥へ奥へと仕舞い込まれてしまっている。職人にとっては自分達の作ったものが日の目を見ない事が実は一番辛い。


古い虎竹材、竹虎四代目(山岸義浩)


虎竹は淡竹の仲間で身が薄く割れやすい性質を持った竹である、空調が入って乾燥している室内等では丸竹のまま使うのは避けなければならない。ところが数十年来の取引のあった職人さんの倉庫から自分の生まれる前の虎の丸竹が出て来ることがある。(画像で自分が手にしているのは、仕事を引退された職人さんの仕事場にあった数十年前の割竹)古い材料なので、きっと割れや虫食いがあると思っていたら、それらの竹が全く割れもなく美しい色艶でいたりするので竹は不思議だ。




コメントする