少しづつ四ツ目編みエビラの製造を進めています。田舎の方には馴染みの干し籠のひとつですが、都会で育った皆様や地方にお住まいでも若い方々にはおそらく初めてご覧になられる人も多いかと思います。定番で作り続けているものは、網代編み(あじろあみ)と言って竹ヒゴをビッシリと隙間なく編み込んだ物を使うのです、ところが地元高知の民族資料館には四ツ目編みされたエビラが遺されていました。美味しい梅干しの土用干しや、干し野菜などに多用される事の多くなった平編み籠は、乾燥させる事が一番の目的、隙間の空いた四ツ目編は理にかなっています。
少し前になりますが、職人さんのご自宅で驚くほどの干し柿を拝見しました。お一人で竹仕事の合間にコツコツと皮を剥いて吊るたそうです。これは食べきれないのでご家族や遠くのお孫さんに喜んでもらえるのではないかと思ったのですが、ふと足元を見て更にビックリしました。
これは、お分かりでしょうか?そうです、柿の皮なんです。皮むきした後の柿の皮は自然な甘さがありますので昔からお漬物の甘味として活用されたり、乾燥させた皮を粉末にして熱湯を入れてお茶にしたり、近年では柿の皮フレークを作ってヨーグルトに入れて食される方もいるようです。
しかしポイントは何と言いましても乾燥です。カラリと干す事によって長く保管もできますし美味しくもなるという古人の知恵、実は四ツ目エビラ一枚あれば豊かで経済的な食生活に大きく役立てることができるのです。
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