スズ竹と言えば東北など寒い地方ばかり思い浮かべてしまうけれど実は四国や九州にも成育していて竹細工の盛んな頃には各地でこの竹を使った籠が編まれていた。この古いスズ竹四ツ目籠も何を隠そう地元高知でかって作られていた籠だと言う。今ではすっかり姿を消してしまっているので、わかに信じられないが実は伝統的な仕事にはこのような事が多い。
シダ編みの籠にしても、虎竹の里は竹もそうだが良質のシダが取れて隣の漁師町久礼には二軒のシダ屋があったそうだ。当然近くにはシダ細工の職人が沢山いて工房もあったと思われるが、今では細々とその名残を感じられるだけだ。
今でも農家さんで現役で使われている大きな竹ざるを高知ではサツマと呼ぶ。昔から日本有数の竹産地である鹿児島とは交流があったので、編み方など技術的な行き来もあって編まれるようになった竹ざるだと思う。ちなみに、竹職人の家には鹿児島から嫁いで来られた方も多いし、反対に鹿児島に住み着いた方も多かったと聞く。
高知特有の箕として光を放っているのが土佐箕。持ち手に藁を巻いている箕は、どこだったか他の地域でも見た事があるが、さすがに棕櫚を巻く事はない。温暖で素材が豊富にあった高知ならではである...身近に見て知っているからではあるが、もしかしたら最初のスズ竹四ツ目籠のように見た事もなければ、こんな竹細工が作られているのか!?やはり驚くに違いない。
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