かって青物細工で名人と言われていた佐藤千明さんの竹籠を紹介した事があります。今も自分のデスクのすぐ後ろに置いてあって、いつも眺めていますけれど何度となく眺めても機能性と美しさを兼ね備えた独特な形は見飽きる事がありません。その佐藤千明さんが小振りで可愛い手提げ籠を遺されていて、教えを請った若い職人さんが写しの籠を編まれていました、今から9年も前の話になります。
とても綺麗に編めていたので、その場で頂いて帰りました。男の買い物籠としては少し小さかったので、もっぱら小物入れとして多用していますが、古い佐藤千明さんの籠には及ばないものの、かなり色合いが深まりすっかり無くてはないらな愛着の沸く竹籠の一つになっています。
この写真は青々とした磨きの竹籠から1年~2年経過した頃だったでしょうか?初めて手にした時と比べると、随分と落ち着いた色合いになっていました。
そして今回、自分が愛用する手提げ籠を久しぶりに製作いただける機会がありました。竹と真剣に向き合いキッチリとした仕事をする職人です、沢山の竹をこなして当時より断然腕前を上げられています。二つの手提げ籠は同じように見えて細かい部分は圧倒的な出来栄えで感じ入りました。
編み上がったばかりの竹磨き丸底手提げ籠は生まれたての初々しさ、まるで竹の赤ちゃんとでも例えれば良いのか?そんな優しい手触りです。これが時間の経過で濃い飴色のように変わってきて、良く触れる所には光沢が出たりするものですから竹は素晴らしいのです。
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