鰻筌(うなぎうけ)とウツボ籠

 
鰻筌


漁獲量が少なくなってサンマの値段が上がったニュースなど記憶に新しい所です。虎竹の色付の際にも度々お話する地球温暖化、さらに乱獲や海洋汚染など理由があるようですけれど、サンマに限らずイカやサケなど身近な魚も減少しています。そんな中、ウナギは何と「近い将来における野生での絶滅の危険性が高い種」絶滅危惧種になっている事をご存じでしょうか?自分の入社した頃には副業もかねて稚魚であるシラスウナギ漁に参加する竹職人もいましたし、更にもっと昔の小さい頃にはこの鰻筌を川に仕掛けて当たり前のように鰻を捕っていました。当時は鰻を地元の店で食することは無く、スーパーなど買う事も皆無、鰻は捕って食べるものだったのです。


ウツボ籠


コロバシとも呼ばれる鰻筌はご覧になられた事のある方もいるかも知れません。しかし、このウツボ漁に使う籠はどうでしょうか?竹編みは全く同じながらヒゴ幅、厚みが全く違うのは獰猛な海のギャングとも言うウツボを籠から逃さないために必要不可欠だからです。このウツボ籠をご存じないのは当然で、実はウツボを食べる習慣があるのは地元高知県の他は宮崎県、和歌山県だけのようです。九州、四国、本州と離れた三県でも、さすが黒潮文化だけあって似ています(笑)。


鰻筌とウツボ籠


鰻筌とウツボ籠を比べてみると、この大きさの違い。ウツボ籠の迫力が更に伝わりませんでしょうか?


エギ


しかし、どちらも同じエギあるいはコジタとも言う竹の弾力性を活かした仕掛けは同じです。一度入ると出られない鰻やウツボにとってはコワイ罠なのです。




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