金明孟宗竹と黄金孟宗竹

金明孟宗竹


白い竹林の育種と研究を30年に渡って続けられてきた田代さんは、1万坪もの広さの竹林で金明(キンメイ)孟宗竹や黄金孟宗竹の固定化にも成功されている。金明孟宗竹とは、黒竹の白い葉と同じく孟宗竹の突然変異であり、黄金色になった稈の部分に緑色が節間に入っている。実は地元高知の日高村という所にも、この金明孟宗竹は成育していて県指定天然記念物とされている。


黄金孟宗竹


この金明孟宗竹を母竹とした、稈がすべて黄金色に輝く黄金孟宗竹の林も拝見した。


黄金孟宗竹


以前、黄金色に輝く黄金孟宗竹として30年ブログで紹介したように全国各地に生えている孟宗竹なので散発的に金色の竹はあるものの、こうして竹林に固定化しているのは素晴らしい。あの時は竹に西日が当たりキラキラ輝いて神々しくさえあったけれど、この規模の竹林なら光具合によっては物凄い事になるかも知れない(笑)。


竹葉


竹の種類を聞かれる事がある、「世界に1300種類、日本には600種類」とお答えすると皆様驚かれる。しかし、実は竹と笹の違いも大雑把な区別があるだけで明確ではなく、竹の研究はこれからなのだ。だから、竹は一筋縄ではいけない。


金明孟宗竹


金明孟宗竹の竹林に縞模様になった竹が混じっている。キンメイモウソウチクとは別にギンメイモウソウチクと言うのがあって、色合いは真逆となる緑色の稈に黄金色の筋が入る。もちろん、それとは見栄えが違うしギンメイの縞模様とも違うようだ。


金明孟宗竹


そうかと思えば節を貫いて半分が金明、半分が孟宗竹という面白い竹まで生えている。キンメイチクは各地で見られるが、このように珍しい竹が沢山あるのも長年大切に竹を育ててきたこの竹林ならではだろう。


金明孟宗竹


竹の稈は3層の多層構造組織になっていて、第1層は黄色易変性遺伝子が含まれ、第2、第3層には緑色易変性遺伝子が含まれると言われるので稈の第1層が薄くなり第2、3層が露出することが金明孟宗竹の色合いの原理だそうだ。黄金色が縁起も良く、多様な模様ができて美しい竹達だが、これを伐採してしまうと色合いが消えてしまう、伐採して様々な竹細工に活かしていける日本唯一の虎竹との大きな違いはここだ。金銘孟宗竹は、竹林や庭園用として人を和ませ楽しませてくれる竹なのだ。


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