竹は一年を通して青々と繁り、見た目にも美しく逞しい生命力を感じさせる。実際には紅葉もすれば落葉もするのだけれど、その期間が短く人が気づかないほど早く若葉が生え変わるので、古来神秘的な力のある植物として神事に使われてきたし「松竹梅」という縁起物ともなっている。
ところが青いはずの竹葉が真っ白くなった白い竹林があると聞いて前々から気になっていた。場所は千葉県四街道市、おそらく世界でも他には見る事のできない息をのむ幻想的な竹林だそうだ。
そもそも白い竹とは葉緑体のDNAが突然変異したもので、黒竹の葉だけが純白になったものである。真っ黒い稈の黒竹に対照的な白い竹葉は確かにアッと驚くような竹林に違いない。
今回自分がお伺いした時には、ちょうど竹の花が開花をはじめており竹の本数も激減し、黒い色合いが付き切らない竹稈には稲穂のような花が咲き乱れていた。
残念ながら黒と白の見事な色合いは見られなかったが、この地で想像するだけで凄いものだろうと思う。しかし、葉緑素を持たない白い竹が光合成できずに枯れてしまうのでは?という素朴な疑問が沸いてくる。実は、竹は地下茎で縦横無尽に繋がっていて青い葉をもった竹が白い竹に栄養分を送り助けているのだ。だから恐らく昔から、同じ突然変異は単発的にあったのだと思うが、このように栽培を続けて竹林と呼べるまでにされている事は素晴らしい。今度は、復活した白い竹林を是非拝見したいと思っている。
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