もう随分と前の事なのに、今でも稀に竹関係の方からは巨大水鉄砲の話が出る事があります。「ザ!鉄腕!DASH!! 」という人気テレビ番組は知っていましたので最初お話を頂いた時には面白そうだと思いました。
ところが、話を聞いてすぐに全く無理な話だと分かります。孟宗竹という日本には身近に大きな竹があります、だから電話の相手の方は少し苦労すれば、きっと実現可能だと思われているようでした。
全長15センチの竹水鉄砲を、100倍の15メートルの長さに作って、一人で押して使うところを同じく100倍の100人の力で水を発射させたいと言うのです。思わず吹き出してしまうような構想でした、少しでも竹の事を知っている方なら瞬時にお断りしてしまいます。
自分もすぐに製造できませんと伝えました。ところが相手は怯みません、実は竹虎に来るまでに何度も同じようなやり取りをされて来ていたのだと後で知りました。
「日本中の竹屋さんに断られました。」
短い沈黙の後、電話口でこう言われるのを聞いてカチリとスイッチが入ったのでした。
竹の巨大水鉄砲が出来ない理由は大きく三つあって、その一つが竹の曲りです。竹を真っ直ぐだと思われている人ばかりかも知れませんけれど、竹は伐り倒してみると右へ左へ曲がっています。その曲りを矯め直しという矯正作業で真っ直ぐな竹に加工しているのです。
ただし、孟宗竹のような太くて長い竹を矯め直すなど創業100年を越える竹虎でもそうそう経験がありません。ホークリフトまで持ち出して四苦八苦してどうにか真っ直ぐな竹に加工します。
後の出来ない理由は、節がある事と元は太くてウラ(先端)に行くにしたがって細くなる竹材の特徴です。節を全て抜いて、水を押し出す棒が元からウラまでスムーズに通るようにせねばなりません。竹はただの筒ではない事を改めて皆様にお教えさせてもらった覚えがあります(笑)。
さて、この時の放送が明後日の12月19日(日曜日)午後7時からの「ザ!鉄腕!DASH!! 第3回DASHデミー賞 どデカいヤツら大集合」にて甦ります!巨大水鉄砲をDASHデミー賞なるものに選んでいただいたとの事なのです。自分もチラリとリモート出演させてもらう予定です、ご存じない方は前代未聞の大きさの水鉄砲が登場しますので是非ご覧いただきたいですし、前に観られた方も懐かしみながらお楽しみいたたければと思っています。
コメントする