このような網代(あじろ)編みの竹笠を見かける機会は都会では少ないかも知れませんが、お遍路のある四国では白装束にこの笠を被った方が歩かれているのに良く出会います。また、四万十川、仁淀川、物部川など清流の多い高知県には、シーズンともなれば鮎釣りの方も沢山来られますので、やはりこの竹笠を使われています。
しかし、ほとんどの場合、お使いになられている網代笠は元々日本にあった製品を模した海外製品であり、この真竹で編まれた網代笠のように緻密に作られている物を目にした事はありません。
まず一目で違うのはヒゴ幅なので誰がご覧になられても、すぐにお分かりいただけます。細いヒゴで、しっかりと目をつめて編み込みますので緻密で丈夫な笠に仕上げられています。
縁の仕上げも全く違いますし、裏側補強に入れる六ツ目編みも似たような輸入品は多いですけれど、このような丁寧で細やかな仕事はされていません。
そして、何と言いましても五徳です。この部分を頭に入れて被るのですけれど、普通は趣味の延長で編まれたような国産の笠であるなら海外製造の五徳など使いそうなものなのに、何とこの網代笠はここまで職人手作りだから、こだわりが違います。
網代笠と言えば、今年は流鏑馬笠(やぶさめがさ)の復刻が叶いました。三角の網代笠よりも複雑な曲線があり職人泣かせの難しさだっただけに、完成してみれば心ウキウキするような笠となったのです。
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