「奇跡」などと言うと大袈裟に聞こえるかも知れませんが、実は本当にレアなのです。そもそも、このような大きなサイズのスズ竹細工は職人さんが少なくなり珍しくなっていた所にスズ竹の開花があり材料自体が無くなってしまいました。初めての方でしたら少し不思議に思われるかと思いますけれど、竹の開花は60年とか120年とかサイクルが非常に長いのです。そしてその代わりに一度花が咲くと皆で申し合わせたように枯れてしまいます。
スズ竹は数年前から予兆があって段々と竹材の質が落ちており、温暖化が主な原因だと言われていたものの、実は120年ぶりの開花が始まったのでした。青々と茂っていた竹林が、まるで枯れススキのようになって、それがずっと向こうまで続く光景...いやいやもしかしたらもう少し山に入ればと思って進んでみても、やはり同じ。茫然としてしまう竹林を見ているだけに、このような綺麗で60センチものサイズのあるスズ竹丸ざるは貴重という他にないのです。
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