故・小田光陽氏は大阪の指物師であった三好弥次兵衛という方に師事して指物大工をしていましたが、50歳を過ぎてから竹工芸の世界に入ったという変わった経歴を持たれています。竹が豊富で、竹細工の盛んだった大分県の生まれですので、ずっと竹に親しみは感じてこられていたと思います。そして、ついに木工技術を生かした竹と木の組み合わせによる独特の作品を手掛けられるようになったのです。
海外での展示会にも出品されていた小田光陽作「渦潮」は、そんな作品の中でも最高峰と言えるのではないでしょうか。渦巻く波を見事に竹と木を使って表現されています。
ご縁あってやって来た渦潮ですが、実は昨日の「波」同様に竹虎本店には同じ作風の作品が飾られていた事がありますので自分にとりましては、とても馴染みがあります。
古い作品なので全く完璧な保存状態ではないものの、せっかくの大作です。出来るだけ多くの方の目に触れて、ご覧いただける機会を作りたいと思っています。
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