八ツ目編みの根曲竹手提籠バッグ

根曲竹手提籠バッグ


今、一番丈夫で使い勝手がよいと多用していただきたいのが根曲竹買い物籠です。根曲竹の伐採シーズンは普通の竹に比べて早く既に終わっている職人さんもおられるようです。これからの雪の季節は、背丈の低い竹なので竹林全体が真っ白に覆われて、その雪の重みで根が曲り、竹質が鍛えられて堅牢になるのです。




話を聞くだけでは根曲竹の竹林や伐採など分かりにくいので、お時間ある方は是非このYouTube動画をご覧いただきクマに注意しながらの仕事の苦労を知っていただきたいと思います。


白竹竹手提籠バッグ

 
根曲竹手提籠バッグ


同じ八ツ目編みにしても白竹の優美さに対して、野趣あふれる素朴な根曲竹とではこんなにも感じが違います。自分は、持ち手まで同じ根曲竹で仕上げられて竹肌を感じられる根曲がやはり好きです。


漆仕上げの竹丼を作ります

 
無塗装竹丼


竹箸や竹丼に無塗装のご依頼をいただく事があります。ウレタン塗装をしない事の問題については先日の30年ブログ「無塗装竹箸について」をご覧いただきたいと思います。


竹丼


竹丼にはウレタン塗装をして仕上げられます。これは食器として衛生的にお使いいただくためにどうしても避けられない事だと考えていますが、化学物質過敏症など非常にデリケートで敏感な方もおられる事を考えると何か他にでたてはないものかと思った時には、やはり漆しかありません。


杉弁当箱


杉弁当箱漆仕上げ


真っ白い木肌の杉材を使ったお弁当箱に拭き漆をほどこすと、こんな渋さで出来あがります。見た目の良さだけでなく汚れやキズにも強く耐久性は段違いになっているのです。


無双籠


これは白竹で編み込んだ無双籠、経年変色で渋い色合いになっていますけれど本来は真っ白な色合いです。


無双籠漆仕上げ


この無双籠を漆で仕上げるとこのような輝き。耐久性を高めたいとご希望されていたお客様からのリクエストで特別に製作したものが、結構良い味になるのでそのまま少しだけ定番として製作しています。竹丼もどんな風合いに成長してくるのか楽しみです。




旅館さんからの別注竹籠が完成

 
別注竹籠


コロナが落ち着いてきたせいか旅行される方も増えているようです。先日いただいた直径約40cmで高さ約16cmの別注竹籠は雰囲気のある旅館さんからの注文でした。休日には観光バスを見かける事も多くなりましたし、こうやって少しづつでも宿泊施設や飲食店へお客様が戻っていく事を願っています。


別注竹籠


別注竹籠


さて、編み上がった籠は網代底で立ち上がりには竹表皮部分を内側に向けて編み込んであるので色目の違いがハッキリとしています。色合いは馴染んでくる頃には今よりも更に味のある籠になっているかと思います。


別注竹籠


何年か経ってから出会える事を密かに楽しみにしています。


のし竹について

 
孟宗竹、竹虎四代目(山岸義浩)


竹細工にも色々あるが竹を細く割ることなく、そのままの竹材の大きさや肉厚を活かした竹製品も当然沢山考案され開発されてきた。たとえば、日本最大級の孟宗竹は硬くて編組細工には人気がないものの大きさを利用して竹ワインクーラーや竹丼などに加工されている。


竹ひしぎ壁


丸竹のまま使うのではなく平らにすれば何ができるだろうか?これも今まで数多くのチャレンジがされてきたと想像される。これは真竹であるが平らに叩き開くヒシギと呼ばれる竹材にすれば、こうして編み込む事もできるので家屋の外壁として使われる事もあった。


虎竹袖垣


このヒシギを竹虎では袖垣の飾りとして使っている。ヒシギの加工には手間と時間がかかるので、かっての全盛期にはヒシギ専用の工場があり10名近い内職さんにお仕事いただく程だった。


のし竹材料


さて、それではヒシギのように細かく叩き開くのではなく、竹材をそのまま開いてみたらどうだろうか。丸い竹材を平らにするので並大抵の苦労ではなかったようだ。


のし竹材料


熨斗竹


当然、竹は元の丸い形に戻ろうとするし、竹の扱いの難しさを何度となく感じたのではないだろうか。


のし竹盛皿


そして完成した一枚の竹盛り皿。竹の節、繊維の風合い、これぞ竹林をダイナミックに感じて頂ける竹製品のひとつだ。


これから製作開始、土佐箕

 
土佐箕


土佐箕は、全国に沢山産地があり種類もあった箕の中でも大きさや構造に特徴がある。カズラ箕や日置で編まれていた桜皮の箕などはサイズが数種類あるのだが、土佐で編まれて来た箕は、さすがに職人もいごっそう(頑固者)なのか箕先の部分で約70cm、長さで約74cmと大振りなものしか作らない。


土佐箕先端部分


もしかしたら以前は何種類かあったのかも知れないが自分の知る限りはこの一種類だけ。うでには藁と棕櫚がカズラでしっかりと巻かれて滑り止めにしている。更に箕先には丸竹を一本通してあるので曲げて使う事ができない。


真竹


太く立派な真竹が伐採されてきたので箕作りもこれから少しづつ開始されていく。


箕、竹虎四代目(山岸義浩)


カズラなど山の素材が少なくなってきて気づいたのだが、土佐箕も桜皮の箕ほどではないものの多様な山の幸で編まれている。真竹、孟宗竹、棕櫚、藁、カズラ、そして地元ではニガタケと呼ばれるメダケ、材料が多く製作も難しい箕は日本の竹細工の中でも一番に姿を消しつつある。




竹の直線

 
竹垣根


の直線美にはいつも目がゆく。それが古い竹垣であっても太くても、細くても何竹であっても、それぞれに美しいものだ。


京銘竹


京銘竹には伝統や格式など特別な竹を感じる。


白竹、晒竹


しかし、そうでない竹もこうして並んでいると存在感があって好きだ。


真竹


こだわりの製品を生み出す工場には必ず良い竹がある。


白竹


建物の壁面全体を真っ直ぐな竹であしらうと圧巻、年々古くなっていく表情も楽しめる。


孟宗竹林


あまりの竹の風景に思わず高速道路を下りて引き返して竹林に入らせてもらった事がある。竹は竹林にある姿がやはり一番だと思った。




虎竹で編まれたお一人様の椀籠

虎竹茶碗籠

竹細工は人の暮らしと共にありますので生活様式が変われば籠やザルも同じように変化していきます。昭和の時代なら一世帯当たりの人数も多かったので米研ぎざるにしろ、飯籠にしろ、味噌漉しざる、茶碗籠や洗濯籠にいたるまで今とは比べられないほど大きなものでした。段々コンパクトになってきた竹籠の中で遂に数年前に生まれたのがお一人様の椀かごです。東京に暮らす単身世帯の割合が半数近くにもなっていると聞いて驚いた事がキッカケとなって出来上がった籠です。


虎竹お一人様茶碗籠


いつもは真竹で編んでいるお一人様の椀かごを、日本唯一の虎竹で同じように編んでみたらどうなるのか?職人のちょっとした遊び心とチャレンジ精神で綺麗な虎竹籠が出来あがりました。青竹(真竹)と比べるとこんなにも見た目が違いますけれど、本当の違いは竹の性質です。


虎竹お一人様茶碗籠


虎竹お一人様茶碗籠


虎竹は淡竹の仲間なので真竹とは使い勝手が全然違います。淡竹が扱いやすいと言う職人もいれば、真竹しか使わない職人もいます。今回は、慣れない竹に四苦八苦して三倍もの手間と時間がかかったと苦笑いです。


虎竹お一人様茶碗籠


今回、虎竹の籠は三個だけ編み上がりました。もう少し材料を取ってあるのでいずれ出来あがりますけれど、この様子だとまだまだ先の事になりそうです。




青竹タガで生まれ変わった古い桶

青竹タガ


長年使ったものは愛着がわいて思い切って捨てるなどという事ができないものです。このお客様も大事に愛用してきた木桶が古くなってタガが壊れてしまっても、まだまだお使いになられたいと、タガの修理に持って来られました。


真竹タガの古い桶


青竹タガ


真竹でタガをやり直してみたら、どうでしょうか?もちろん木材部分まで新しくなった訳ではありませんものの、まるで新品同様に使えるようになりました。


虎竹買い物籠


今回は桶でしたけれど、木や竹は加工性が高く修理も比較的容易なことから一つのモノを手直ししながら長く長くご愛用いただく事ができます。お買い物に重宝いただく虎竹買い物籠も傷みやすい持ち手部分などを修理させていただく場合がございます。まさに、竹など自然素材の素晴らしい一面です。




温泉籠、湯籠と呼ばれる伝統の青竹手付き籠

 
虎竹スクエアバスケット


サイズが10種類になった虎竹スクエアバスケットの中で初めて手付きの籠ができています。手提げタイプは何も外に出歩く場合だけではなくてお部屋に中で小物入れとしてご愛用される時にも便利です。


虎竹スクエアバスケット、温泉籠、湯籠


サイズ的には青竹で編まれる温泉かご(小)より少し大きいくいらなので、温泉街にも良く似合うのではないかと思います。


温泉籠、湯かご


しかし、今回皆様にご覧いただきたいのは古老の熟練職人が編み上げる昔ながらの伝統の青物細工。今まであまり見られる事のなかったゴザ目編みの温泉籠はこのような形で出来あがります。




かしゆか商店に掲載いただいた虎竹二段ピクニックバスケット

 
カーサブルータス、かしゆか商店


月刊「カーサ ブルータス」の中に、かしゆか商店という日本各地の伝統工芸を集めたコーナーがありますが、ここに虎竹二段ピクニックバスケットを取り上げて頂きました。かしゆかさんは、ご存じのようにPerfumeのメンバーですが地域を感じる手仕事の中より今回は竹虎をお選びいただき光栄に思いました。


虎竹うるし箸


職人の仕事を熱心にご覧いただき最後に虎竹漆箸をお求めいただきました。ご紹介いただいた虎の二段ピクニックバスケットで外の行楽に出かけられる時にもお供させていただきたい軽さと細さ、竹ならではのしなりと強さを兼ね備えたお箸なのです。


虎竹二段ピクニックバスケット


角物細工と呼ばれるピクニックバスケットやランチボックスはこのように製作されています。多種類用意された細かいパーツに驚かれるかも知れません、職人の苦労がお分かりいただけます。




リモートワークに虎竹で編まれた書斎籠

 
虎竹八ツ目書類籠(漆)


昨年からのコロナ禍によって自宅にいながら仕事をされるリモートワーカーという働き方が増えたそうです。地方では少し耳にする事あるものの、変化が遅いのか自分達自身現場に来なければ業務できない事も多いので、実は周りではあまり実感はないのです。しかし、全国のお客様を見た場合は、やはり出社されない皆様も多いように感じています。


虎竹八ツ目書類籠(漆)、竹虎四代目(山岸義浩)


このA4サイズがちょうど入る虎竹八ツ目書類籠は、ご自宅の書斎をオフィスにされている方に、会社とは違うご自身だけの少し高級感と自然素材の温もりを感じながらデスクワークしていただければと思いご紹介しています。


虎竹八ツ目書類籠(漆)


竹編みの内側をご覧いただいても少し色目が濃くなっていますけれど、全体的に漆を塗布して渋さが増した作りです。


虎竹八ツ目書類籠(漆)


底部分にはH型に力竹を入れて細い丸竹で足を付けていますので通気性もバツグンです。


虎竹スクエアバスケット(書類籠)


書類籠と言えば一足先に製作した虎竹スクエアバスケットがあります。書類を入れる必要のないご家庭では身の周りの日用品を収納して便利にお使いいただけます。スクエアバスケットが虎竹を使ってどのように製作されているのか?動画でご覧いただけるように準備いたしておりますので、お時間ありましたらどうぞ!




奇跡...思わず口からでた言葉、スズ竹丸ざる60センチ

 
スズ竹ざる


「奇跡」などと言うと大袈裟に聞こえるかも知れませんが、実は本当にレアなのです。そもそも、このような大きなサイズのスズ竹細工は職人さんが少なくなり珍しくなっていた所にスズ竹の開花があり材料自体が無くなってしまいました。初めての方でしたら少し不思議に思われるかと思いますけれど、竹の開花は60年とか120年とかサイクルが非常に長いのです。そしてその代わりに一度花が咲くと皆で申し合わせたように枯れてしまいます。


スズ竹は数年前から予兆があって段々と竹材の質が落ちており、温暖化が主な原因だと言われていたものの、実は120年ぶりの開花が始まったのでした。青々と茂っていた竹林が、まるで枯れススキのようになって、それがずっと向こうまで続く光景...いやいやもしかしたらもう少し山に入ればと思って進んでみても、やはり同じ。茫然としてしまう竹林を見ているだけに、このような綺麗で60センチものサイズのあるスズ竹丸ざるは貴重という他にないのです。




竹炭まくらの快眠効果、消臭、肩こり

 
竹炭まくら


竹炭まくらには本当に沢山の喜びのお声を頂いております。土窯づくりの竹炭粒をタップリ3キロ入れた、まさに竹炭枕の中の竹炭枕のような逸品だからでしょうか?まず皆様から驚かれるのが、赤髪様から頂いております感想に代表される、その寝付きが良さです。


「快眠の言葉につられて半信半疑で購入に踏み切りました。まず届いた時の感想は、『重い』と『低い』でした。初日使ってみると、床へ入って即座に記憶が飛びました。連日熱帯夜が続く中、驚くほどの寝つきのよさでした。キャッチどおり、一日の約1/3は寝ております。その時間を快適にできました。ありがとうございました。(赤髪様)」


「竹炭マクラは随分前に購入したのですが使い始める前は、音がうるさくないのかとか、固くないのかとか少々不安に思うことはあったのですが、、、今は、このマクラ手放せません!不安に思っていたことは、使い始めてから気になることもなく、他の方のレビューにもある通り、ぐっすり眠れます。その時の気分や体調に合わせて、高さを変えてみたりしています。気持ち良い硬さで、眠りが深いのに、目覚めはスッキリで、暫く出張先のホテルのマクラだったので、帰ってきて、改めてこのマクラの凄さを体感しました。ずっと使い続けていきたいと思います。(A・C 様)」


「不眠症で今まで低反発性の枕や何やら、何回も色々な枕を試したのですが、どれも効果がありませんでした。今回も半信半疑で竹炭枕を購入したのですが、使ってみてビックリです。自然にスーと眠りに導かれました。これで毎晩、深酒をしないで健康に生活できます。これからも健康に良い物をお願いします。(かんちゃん 様)」


かんちゃん様のようにスーと眠りに導かれる方もおられれば、竹虎にどハマりさんのように消臭効果を言ってくださるお客様もおられます。加齢臭が気になる自分も他人事ではありません(笑)!


「レビューの評価が良く購入したものの、正直あまり期待はしていませんでした。使い始めはやはり、音が気になり慣れないこともあり寝つきはイマイチでした。しかし、真夏の暑さでも頭の寝汗はなく、不思議ことに朝の目覚めがスッキリし、毎年首元の寝汗や匂いに悩んでいましたが、今年はそれもなく快適でした。何故か肩凝りも改善。今では音も気にならなくなり、むしろ心地よくさえ感じてます。主人用にベッドパットと共に追加購入致しました。信頼のおける良い商品をお造り下さりありがとうございます。(竹虎にどハマり )」


竹炭枕


そして、やはり多いのが肩こりや首の痛み、頭痛などの解消へのお声です。


「今まで10個以上の様々な枕を購入しては、頭が痛い・・肩がこる・・・。といった経験をしてきました。こちらの枕でダメなら諦めるか・・という気持ちでしたが使用してみて「なんということでしょう!!」とか「アンビリバボー!」という言葉がこれほど似合う体験をしたのは生まれて初めてでした!熟睡です!熟睡!!!お世辞抜きで本当に自分に合う枕と出会えて幸せを感じております!しかも消臭効果つきはありがたいです、さすが竹炭!さすがは4代目様の商品です!ますます4代目様や「竹虎」のファンになった自分でありました。(チマタケさん)」


「肩こり・首痛・頭痛などひどかったのですが、おかげさまで治りました。スゴイ!の一言です。今では家族全員この枕で寝ております。感謝です。(KNNYAさん)」


「肩こりがとても頑固その上毎日よく眠れない感じでしたが1週間くらいでなんだか頭のすわりと首が安定してとてもよい心地で眠れます。(kazuyo様)」


竹炭ベットパット


最後にナマステ様からのお声をお聞きください。多くの方が最初はとまどう竹炭枕ですが少し使うと不思議と手放せなくなるのです。竹炭布団のアイデアもいただきました(笑)


「竹炭まくらを使用しはじめ2ヶ月です。初日は硬さと高さで首に違和感がありました。低血圧でいつも寝起きは悪いのですが、朝の目覚めはばっちり、頭の中がすっきりとした心地よい目覚めでした。一週間ほどで硬さにも、高さにも慣れ、首筋と肩痛が軽減されてきました。パソコンワークなので、ひどい肩こりなのです。あの硬さがちょうど指圧効果になるのでしょうか?枕同様の竹炭たっぷりの竹炭布団などあると、腰痛も軽減されるのになあ~と思ってます。でも、、布団だと相当重くなりますね。(ナマステ様)」


確かに竹炭粒入りの布団は重たくなりそうです、そこで布団ではないものの数年前にわざわざ低温で焼き上げた竹炭を微粉末にして開発した樹脂綿を使った竹炭ベッドパットがあるのです。当然自分も竹炭枕とセットでずっと快適に愛用しています。




虎竹のフロアライト

 
虎竹フロアライト


長雨の続いた夏場とうって変わって秋になると天気が安定して毎晩美しい月夜を楽しめています。もう10月も中旬というのに夏日のような日が続いて、全く涼しくならない高知ですけれど、さすがに夜は季節を感じるのです。さて、秋の夜長を楽しくしてくれそうな虎竹フロアライトですが、土佐和紙を貼ればいよいよ完成です。竹と紙で作られる伝統の灯は、はじめての方でも懐かしく心和むやさしい明るさです。


虎竹フロアライト


光が入ると竹編みの影が浮かびあがり、ホッとした気分になってきます。


竹灯、竹虎四代目(山岸義浩)


虎竹に土佐和紙という高知県ならではの素材をあわせて創りだされるフロアライトは大小二つのサイズがありますが、丸く可愛い形といい大きさ感といい多くの皆様のお部屋を癒しの空間に早変わりさせてくれます。




無塗装竹箸について

 
竹皮付取り箸(菜箸)


竹箸には多くの場合、塗装がされていて一見すると塗りがなく自然そのままのように思える竹箸でもクリア塗装という透明で自然な感じで仕上がる加工を施しています。


無塗装箸


そのような事からクリア塗装も何もしていない竹素地そのままのようなお箸を探されている方もおられて、ご質問もいただきますので無塗装箸について少しお話させていただきます。二膳のお箸が並んでいますがご注目いただきたいのは箸先端部分です。


無塗装箸


同じお箸を裏返しますと、もう少しよくご確認いただけるかも知れません。お箸の先端部分が濃い色に染まっています。


無塗装箸


お箸は食材を掴むためのものですし、当然ながら箸先は、お刺身の際の醤油をはじめてとして色合い濃いものに触れてしまいます。


クリア塗装無の竹箸


竹材そのままに加工したお箸だと竹繊維に醤油などを吸ってしまって、このような色染ができてしまいます。


無塗装箸実験


自然の竹そのままのお箸も良いものですから、化学物質過敏症などの方から無塗装のお箸をお願いされました場合にはできるだけ対応いたしております。けれど塗装をしない場合にはも、使用後に起こってくる色染まり、さらにカビの発生など竹材そのままに使うリスクも同時にお知りになって頂ければと思います。


高知龍馬空港の山田まん

 
山田まん、高知龍馬空港g


高知の空の玄関口といえば言わずと知れた高知龍馬空港です。ニューヨークのジョン・F・ケネディ国際空港、パリのシャルル・ド・ゴール空港などと同様に人名の付く空港として有名となっています。ところが、このコロナ禍によって少し寂しいお知らせがありました、それが空港2階出発ロビーにある「とさでんショップ」売店と「レストランチャオ」とが先月末で閉店されたのです。


売店は1959年から営業開始だそうですので60年以上の歴史です。実は何を隠そう当社の虎竹製品なども取り扱って頂いていた事もあり、棚に花籠が並んでいた時代も思い出されます。ずっと担当させてもらっていた自分は個人的にも馴染みのショップさんでした。


空港は乗降のお客様も戻りつつありますので、是非他の店舗様には頑張っていただきたい、そんな思いが込み上げます。特に空港ビル直営店ビックサンさんには県下各地のお土産物にまじって竹虎が少し関わらせていただきました地元高校生が作った「山田まん」が販売されています。


竹虎四代目(山岸義浩)、孟宗竹


近年、デトックス効果などの認知が広まり竹炭パウダーを入れた食品を沢山見かけるようになりました。普通の竹炭に使われる竹材は、ほぼ100%孟宗竹です。日本最大級に大きく身の厚みもあるので竹炭に焼き上げるのには最適の素材なのです。


虎竹伐採


ところが、この「山田まん」に入れられている竹炭は何と日本唯一の虎竹!虎竹は不思議な虎模様が特徴ですけれど、この虎模様が出ていない竹も沢山あります。そんな製品にできない竹材を利用して竹炭に焼いて特別に竹炭パウダーにしました。


梅原真先生


こうやってスラリとお話していますと普通のお話に聞こえますが、これはかなりレアな事。淡竹の竹炭自体が竹虎以外では見た事もないのに、ましてパウダーなど日本には存在しないのではないでしょうか。こんな珍しい竹炭が出来た理由は高知在住のデザイナー梅原真先生にあります。こだわりの方なので普通の事ではNGになってしまう...自分が勝手に早とちりして、後から聞くとそこまで求められていないのに勝手に凝ってしまったのでした。


まあ、しかし珍しい製品が出来あがった事ですし、アフターコロナに向けて行き来の多くなる空港に御用の節は、先様へのちょっとしたお心使いにお一つどうぞ。


根曲竹の色々

 
根曲竹御所籠


無骨なイメージのある根曲竹ですけれど、実はこのような緻密な編み込みのに変身することもあります。炭化窯で渋い色合いになっているので余計に分かりづらいかも知れませんが、細かい竹ヒゴにしても魅力的な竹籠になる秀逸な素材なのです。


根曲竹座布団


かって、しなやかなスズ竹を使って座布団が編まれていた事があります。根曲竹だと少しだけ粗い感じになるものの、しっかり実用に使える(実際に使うにはもったいなさ過ぎます)製品が出来あがります。


根曲竹玉入れ籠<br>


レアな玉入れ籠は竹の中でも強さは圧倒的なので、逆さにしてサイドテーブルのような形で愛用しています。重たい鞄をのせながら数年経っても全くビクともしないばかりか、竹ヒゴがツヤツヤと輝いてきて青々とした若かりし頃より数段成長した感があります。


この根曲竹の伐採も今月からはじまっています、同じ竹と言っても虎竹や真竹などとは全く違う竹林の姿と伐採の様子は本当に興味深いものです。山深い竹林に生える根曲竹の様子をご覧いただくのも、籠の粘りや堅牢さをご理解いただくのに役立つのではないかと思っています。




今年の真竹伐採

 
竹職人


青竹細工で売り切れのやザルがいくつか出来ています。竹林を眺めれば竹はいくらでも生えているように見えるので、まさか材料が無くなってしまって製造できなかったと思われる方が、一体どれくらいいらっしゃるでしょうか(笑)。


真竹竹林


確かに竹は竹林に来れば沢山あるのですが、伐採に適した時期というものがあります。特に近年害虫の被害が多くなっていますので品質管理のためにも竹を伐るタイミングを見極めるのは更に大切になってきました。


真竹伐採


本日竹伐りに来たのは、虎竹の里の竹とは少し違う種類で青竹細工用の真竹です。孟宗竹ほどではありませんけれど、結構太く長い竹が必要です。この時期の高知は、まだまだ真夏の様に暑く早朝から作業して出来るだけ早く切り上げるようにしました。


真竹


真竹伐採


竹細工には編むザルや籠によって太くて長いままの竹材がどうしても必要なものがあります。今回は、十分ではないものの、とりあえず予定していた数量に近いサイズの竹は伐り終える事ができました。


竹ざる


こうして伐り出された竹を使って、またひとつひとつ職人が竹籠や竹ざるを編んでいきます。




市場に行く男性の方なら、根曲竹角八ツ目手提籠バッグ

 
根曲竹角八ツ目手提籠バッグ


竹の開花で壊滅的となっているスズ竹のお話は何度かさせて頂いております。全国の皆様が枯れススキのようになってしまった竹林に驚かれているようですが、なんせ120年に一度と言われる自然現象なので自分も初めての事でした。まだ、枯れてしまった竹林の様子をご覧いただけてない方は是非こちらのYouTube動画で、どんな様子なのか知っていただきたいと思っています。




さて、そこで困ってしまうのが今まで市場にお買い物に行かれていた皆様です。スズ竹市場籠という丈夫で使い勝手の良い籠が、暫く出来ませんので何か他に無いですか?そんなお問い合わせも頂戴しています、お問合せの皆様にお返事させて頂くのが、特に男性の方々でしたらこちらの根曲竹角八ツ目手提籠バッグが最適です。


根曲竹角八ツ目手提籠バッグ


男性の方にオススメと言いますのは、スズ竹市場籠と比べてもこの根曲竹角八ツ目手提籠バッグの重さは、スペック的には大差はなく600グラム程度なのですが持ち手が少し硬い根曲竹のせいか、買い物を続けられているうちに少し重く感じることがあります。


根曲竹角八ツ目手提籠バッグ


この堅牢な根曲竹そのままを使った頼りがいのある持ち手も一つの味わいであり魅力なので、竹の種類があると同じだけ竹の特徴と共に楽しみもあるものなのです。自分が愛用している根曲竹の買い物籠で高知の名物となっています木曜市(観光客の皆様に有名な日曜市ではなく、木曜日に開催されている地元のお客様にも支持されている市)でお買い物した様子も動画にしています。結構お買い物しましたけれど、根曲竹の買い物籠はビクともしません(笑)。




竹のうねり

 
小田光陽作 白竹流紋様水盆


小舟で海に漕ぎだすと、まさにこのような波のうねりに出会う事があります。大雨が降った後の河川でもしかり、竹の割幅を違えた工夫がリアルに水の流れを表わしているのです。


小田光陽作 白竹流紋様花台


まっすぐに流れる涼し気な水面とは相反するような、荒々しい表情になるのが水の面白いところです。


小田光陽氏


竹虎では渡辺竹清先生の関係から、生前より小田光陽さんのお名前は良く耳にしていて作品も展示されており馴染みの竹作家のお一人でした。


スケッチブック


遺されたスケッチブックには、今まで創作された見覚えのある作品やアイデアまでぎっしり。


小田光陽スケッチブック


小田光陽スケッチブック


小田光陽スケッチブック


小田光陽作波


やはり流れるような曲線や渦巻が目につきます。


小田光陽作 白竹流紋様水盆


竹のうねりは、曲線を多用した白竹流紋様水盆。内側には木製底部分を持ち上げられる籐持ち手が付いている実用的な作品です。


小田光陽作うずしお

 
小田光陽作渦潮(黒)


故・小田光陽氏は大阪の指物師であった三好弥次兵衛という方に師事して指物大工をしていましたが、50歳を過ぎてから竹工芸の世界に入ったという変わった経歴を持たれています。竹が豊富で、竹細工の盛んだった大分県の生まれですので、ずっと竹に親しみは感じてこられていたと思います。そして、ついに木工技術を生かした竹と木の組み合わせによる独特の作品を手掛けられるようになったのです。


小田光陽作渦潮(黒)


海外での展示会にも出品されていた小田光陽作「渦潮」は、そんな作品の中でも最高峰と言えるのではないでしょうか。渦巻く波を見事に竹と木を使って表現されています。


小田光陽作渦潮(黒)


小田光陽作渦潮(黒)


小田光陽作渦潮(黒)


小田光陽作渦潮(茶)、竹虎四代目(山岸義浩)


ご縁あってやって来た渦潮ですが、実は昨日の「波」同様に竹虎本店には同じ作風の作品が飾られていた事がありますので自分にとりましては、とても馴染みがあります。


小田光陽作渦潮(茶)


小田光陽作渦潮(茶)


古い作品なので全く完璧な保存状態ではないものの、せっかくの大作です。出来るだけ多くの方の目に触れて、ご覧いただける機会を作りたいと思っています。


小田光陽さんの波

 
小田光陽さんの波


小田光陽さんの作品を多数拝見する機会があって、長い時間竹と木で創作された独特の世界に浸ることができました。そんな中で、とても馴染みのある一点がこの。竹虎本社には前から同じような形の作品が飾られていたのでした。


小田光陽さんの波


比べてみますと漆仕上げをしているか、いないかの違いで同じ型で作られている事が分かりました。


小田光陽さんの波


小田光陽さんの波


小田光陽さんの波、竹虎四代目(山岸義浩)


それにしても、この方の作品には水をテーマにしたものが多いようです。昨日の流紋様花台だけでなく、花器、水盆などにも、又本日の波、そして明日ご紹介予定の渦潮...強い思いを感じます。


小田光陽作の白竹流紋様花台

 
小田光陽作 白竹流紋様花台


まるで川面を見るような白竹花台があります。木製の足部分の上に、割幅を違えた竹を並べる事によって動きのある水の流れを見るようです。


小田光陽作 白竹流紋様花台


綺麗に曲げられたUの字型、この角度から見ると滝に向かって流れ落ちているようにしか見えません(笑)。


小田光陽作 白竹流紋様花台


20数年以上前に創作された故・小田光陽氏の作品です。専用の箱は古くなっていましたものの、作品自体はそこまで時代を感じさせる事がありません。


小田光陽作 白竹流紋様花台


竹虎四代目(山岸義浩)、白竹流紋様花台


元々木工をされていた方だけあって、竹と木を組み合わせるという独特の技法で他にはない竹の世界を切り拓かれた方なのです。


虎竹整理籠

 
虎竹整理籠


直径が約41センチで深さが22センチという虎竹のゴザ目編みとしては今までになかったサイズ感の整理籠ができました。底の四隅が足になって緩やかなカーブを描いているのが特徴的です。


虎竹整理籠


編み込みの竹ヒゴ幅を違えているので、編み込みに微妙な変化あります。


虎竹整理籠


四ツ目底というのが通気性に優れていて整理籠としては秀逸なところです。


虎竹整理籠


しかし何といいましても口巻の美しさは熟練の技としか言いようがありません。普通の青竹細工の場合ですと使いやすい柔らかな若竹を伐採して縁巻に使いますけれど、虎竹の場合は若いうちは色付がありませんので必然的に3年、4年竹を使うことになります。扱いづらい竹材をここまで使いこなせるのはまさに達人の域なのです。




レトロな竹手毬かんざし

 
竹手毬かんざし


自分達にとったら忘れかけていたような古い竹手毬かんざしも、竹アクセサリーなど知らない若い世代には新鮮で興味を魅かれるようです。竹アクセサリーや竹ビーズを使ったバッグ類は、60年以上も前に考案され一世を風靡するような人気で次々と新しい製品が登場していました。


竹ビーズバッグ


竹ビーズバッグ


倉庫の片隅で、45年間も眠り続けていた竹ビーズバッグを見つけた時には、幼い頃の思い出が一気に甦りました。バッグ類も手提げタイプからセカンドバッグ、ポシェットなど実に多種多様、更にレインボーカラーかと言うくらい色展開もあって当時の好評ぶりを知る事ができます。


竹ブローチ


竹ネックレス


竹ブローチ、竹ネックレスも今では到底真似できないような技ばかりです。


竹ブローチ


虎竹ブローチ


もちろん、当時の技術を継承した竹細工は残されていて新しく虎竹で編んだブローチもあります。けれど、一番大きな違いは価格です。


竹手毬かんざし


この竹手毬かんざしは、高い技術力と量産体制を整えたお陰で販売価格は何百円という安価だったそうです。とても素晴らしい製品でもあり、復刻を願うお客様の声もありながら消えてゆく昭和の竹スターのひとつです。




熟練の技の結晶、虎竹四ツ目ざる

 
虎竹四ツ目ざる


これは、かなり珍しい虎竹四ツ目ざるです。40センチサイズの巻き縁、四ツ目編みになった見た目のインパクトも強烈で「40センチ×虎竹×四ツ目」という組み合わせは初めてご覧になられる方ばかりではないかと思います。今まであまり見る機会も少なかったと言うのは、この巻き縁に虎竹のざるの秘密があるのです。


孟宗竹竹皮


虎竹の里で成育する虎竹は最初から虎紋様が付いている訳ではありません。筍の季節に竹林に入る方が、竹皮模様をご覧になられて「あれが虎模様ですか、あのまま育って色づくのですね」と言われた事がありますけれど、実はこのような模様の入る筍は全国各地で多く見られる孟宗竹や真竹です。


虎竹竹皮


虎竹は淡竹(はちく)の仲間なので筍の皮には模様がありません。そもそも竹皮は成長の過程で落ちて無くなりますので、色合い自体には全く関係もないのです。そして、画像にある虎竹の竹皮から少しだけ見える稈の色合いはいかがでしょうか?真っ青な色合い、まるで真竹のようです(笑)。


虎竹四ツ目ざる


とても、虎竹とは思えないような色合いの若竹が3年、4年と成長すると美しい虎模様が表れてきます。もちろん年数が経っても色づかない竹も近年は多いのですが...。そこで、この虎竹四ツ目竹ざるですけれど、巻き縁にもしっかり虎模様が入っているので当然3年竹です。


虎竹四ツ目ざる、竹虎四代目(山岸義浩)


青竹細工の場合には巻き縁は柔らかく使いやすい若竹(1年竹)を使います。ところが虎竹の場合には若竹には色がありませんので一本たりとも伐採しません。つまり、縁巻には扱いづらい材質の竹を使いこなして、これだけ綺麗な仕上げにしているのが凄いのです。自分が一目惚れするのもお分かりいただけるのではないでしょうか。