たまにお話させていただく竹の経年変色ですが、先日はこんな竹籠に出会いました。しっかりした作りのため長く仕事に使われていたのに傷みもなく凄い存在感で輝いて見えます。しかし、まるで最初からこのような色使いで製作したかのようなコントラスト。飴色の横網部分は竹表皮が付いた竹材で、更に濃い赤茶色のように見えるのは竹表皮を剥いだ「磨き」と呼ばれる部分です。
古い籠は、この変色具合がたまらない魅力のひとつです。職人さんの使っていたこの竹籠などは白竹に何か塗料で塗っているかのような輝きを放ち、真新しい白竹の籠より成長しているとしか言いようがありません。
この色合いの違いを近寄ってみると、この通り、これだけ違うのです。
50年前に考案されて今でも作り続けられている白竹持ち手付籠オーバーナイターという持ち手のついたユニークな平籠があります。
勘違いされないように改めて申し上げておきますけれど、大きな籠の方も元々は小さな籠と同じ真っ白な白竹だったのです。染めた訳でも何でもありません、この色合いの違いが月日の流れなのです。
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