以前は多い時なら100個単位で編んでいた衣装籠がありました。磨き細工といって竹表皮を薄く剥いだ竹ヒゴを使って編み上げるのですが、全部揃った納品時などは本当に壮観だったことを思いだします。今では、そんな大量に製造する事もなくなりましたものの、どうにか虎竹で復刻できないかとずっと思いがありました。
元々は大中小と三個のサイズで一組だった昔ながらの衣装籠ですけれど最初から大きなサイズは難しいので一番小さいな籠を復刻しています。しかし、それでも幅44センチ、奥行き31センチ、高さは17センチの堂々とした大きさです。
磨き細工とは全く違う独特の虎模様が美しく、着替えのシャツやソックス、身の周りの小物など入れておくのには最高に便利な竹籠です。もちろん脱衣場でバスタオルや下着入れなどにも重宝しそうです。
底には三本のしっかりした力竹入り、虎竹はこのような籠になると更に雰囲気が良くなり魅入られます。
磨きの竹籠と並べるとその違いが際立ちます。磨きは真竹ではありません、昔から編まれていた四ツ目衣装籠も実は虎竹と同じ淡竹でした。現在では青竹の籠は真竹ばかりではあるものの、熟練の職人には淡竹は節が低く真っ直ぐに割れるので実は好まれて多用されてきた素材なのです。
大きなサイズも作ろうか?でも、もしかしたら今の住宅事情ではこのサイズが一番適しているのではないか。別の大きさは皆様のご意向次第です。
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