昔の自宅といえば土間があってカマドや水回りなど食事を用意する台所は完全に家の中とも違う、もちろん外とも違う何ともファジーな領域にあったように懐かしく思い出す。だから、畑から採って来たばかりの土の付いた大根や、釣ってきたばかりの魚等も汚れることを気にする事なく運び込まれて調理されていたのだろう。そして、そこには確かにこんな竹を半割にした簀子が敷かれていた。
この竹半割簀子を見ると昔の人は自然と毎日青竹踏みをしていたのではないか(笑)。青竹踏みで足裏マッサージをしたくなるのは遠い記憶のせいかも知れない。
黒竹玄関すのこを作りたいと思ったものも、おそらくこのような土間の景色を知っていたからに違いないし、そう言えば微妙にゆがんだ竹のキシミの上を歩いたような覚えもある。
土間に敷かれた竹簀の子は多少の曲がりでそのまま使われているけれど、黒竹はご覧のように真っ直ぐに矯め直して丁寧に並べられている。
そもそも竹は並べただけで絵になる、美しいものだ。
並べただけと言うと少し乱暴になるけれど、それだけで優れた道具になる。
井戸蓋にも竹が使われているのをご存じだろうか?
ある民家では竹床を拝見させてもらった。竹を一定間隔を開けて敷き詰めた上にムシロを敷いて生活していたという、高温多湿の日本には最適の作り何と素晴らしい通気性かと思う。
コメントする