篠竹は竹という名前がついているものの太さはボールペンほどの細さしかない笹の仲間です。職人の仕事に行くと、この竹材を割って竹ヒゴにして大量に保管してあってその日に使う竹ヒゴは前日から水に浸けてあります。
編み上がって乾燥させると篠竹特有の堅さが表皮に現れますが、元々その年に生えた若竹ばかりを伐採し使用しているので水からあげたばかりの竹ヒゴは柔軟性があり扱いやすいのです。
この篠竹ざるの特徴は通気性の良さ、堅牢な篠竹の性質を活かして網代編みした底の四隅を足にして底が床面つかないように工夫されています。無骨な表情の竹ざるなのに、こんな細かい心配りをしてくれるのかと嬉しくなってきます。
油抜きするでもなく、自然のそままの素朴な竹肌はまさに竹林にある竹そのもの。飾らない寡黙がこの篠竹細工の魅力のひとつです。
この篠竹を更に極細な竹ヒゴに仕立てて緻密に編みこんだ竹ざるもありますが自分の好みではありません。篠竹は昔ながらのこのざっくり編まれた風情が素晴らしいのです、野菜の水切りでも麺類を盛るにしても重宝する一枚です。
コメントする