今の日本の暮らしの中ですっかり姿を消してしまった竹花籠をもう一度思い起こしてもらいたいと、30年前には人気だった籠達を手にするようになりました。花籠が本当に身近で、日々の飾らない生活の道具として根付いていた頃にはサイズもお値段も手ごろなものが次々と編まれていました。そして、そんな沢山の職人が関わり製作される籠に対して、一人の作家の方が卓越した技術で編み上げる高価な作品も生まれていたのです。
故・白石白雲斎氏の虎竹花籠もそんな作品のひとつ。編まれてから数十年経った今でも竹が生きていると感じるのはヒゴ取りの確かな腕前があればこそ、堅牢な編み込みも健在でさすがだと感心してしまいます。花を活ける機会に使ってみる事にしました。
祖父と親交のあった作家さんですから日本唯一の虎竹を使った花籠が多いのですが、こちらの白竹で編まれた花籠も白石白雲斎氏と一目で分かります。
普通に見えてこれだけ品のよい籠はそうそうありません。この方の偉大さが少しづつ分かってきました。
コメントする