竹の伐採には時期がある事をご存じでしょうか?地域や竹の種類によって違いがありますものの、冬場のあまり竹の活動が活発でない頃を見計らって毎年伐竹しています。日本唯一の虎竹の場合は1月末までが昔からの伐採期限で、それ以降は品質管理のために伐る事はありません。
チビタケナガシンクイムシという害虫の入ってしまった小さな穴が沢山開いている竹材を見る事がありますけれど、もしかしたら伐竹の旬を外しているのかも知れません。しかし、いくら旬が良くても食害ににあう事もありますので山の職人が減り熟練の技が失われつつある今後は竹の管理はますます大切になってくると思っています。
日本唯一の虎竹の山出しに欠かす事のできない竹運搬車は、元々は農作業用として使われている機械です。それを、狭く曲がりくねった急勾配の山道から安全に効率良く竹を運び出せるように随所に工夫と改良がなされています。
何でもない山道なので普通の方は説明しないと、この道がある事を当たり前のように登って来られます。けれど、よくよく考えてもらえば、雨の多い高知県にあって、しかも誰も歩かない竹林の山道がこれほど綺麗に整備されている事は奇跡です(笑)。
山道の傾斜や曲りは虎竹の山出しに関わりますので細心の注意を払っている証なのです。
近くの竹林からはこうやって肩に担ぎ下ろしてきます、伐採されたばかりの竹は水分が多く一般の方が知る竹とは少し違うかも知れません。伐採の時期にお越しになられた運の良い方には竹を持ってもらう事もあって、中には力自慢の方もいましたが長い竹のバランスを取ることが難しく肩が痛いと満足に担げません。
昨日公開したばかりのYouTube動画が既に沢山の方にご覧いただき再生回数が6300回を超えていてビックリしました。皆様のお手元にある虎竹箸や虎竹の籠、名刺入れに至るまで全てこうして運ばれてきます、思えば竹林の竹から山道を通り、土場での選別、工場での加工、職人の細工、そしてお客様への販売までずっとお手伝いさせていただける幸せな仕事です。
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