昨日の中土佐町久礼は大正市場にある大きな生簀籠で思い出す竹籠がある、この30年ブログには何度か登場している巨大鰯籠だ。横3.6メートル、奧行き2.6メートル、高さ2.3メートルだから竹籠と言ってよいのか何なのか、とにかく初めて見た時には腰を抜かして言葉をなくした。
編み込みに使う材料は全て近くで伐採してきた孟宗竹だ。豪快に手割している竹ヒゴを見ていると竹虎でも作っていた、土壁の下地に使う壁竹のようだった。
目を丸くしている自分に「どうだ、これ」と言わんばかりの職人。脚立を使って編んでいく竹籠など何処にあるというのか?四角い籠の内側に入って仕事される職人を上から覗くとまるで部屋の中にいるようだと思った。
一人では決して編めない籠だった、家族三人がそれぞれ役割分担して息をあわせて作り上げていくチームワークの良さにも心服した。真竹使った土佐の生簀籠も一人では到底作れないサイズなのだが、こうして比べると随分と小さく軟に見えてくる。
竹をそのまま使った豪快な姿が格好いい。今では見られなくなった竹の技のひとつではあるが、青空の下、威風堂々と八代海を見つめていた。
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