メゴ笹(オカメザサ・神楽笹)洗濯籠の編みあがりは、いつ見ても美しいものです。冬から春にかけての新竹でしか編まれる事がなく、色合いもすぐに落ち着いた色目に変わりますのでこれも風物詩のひとつと言えます。
さっき「新竹」と言いましたがメゴ笹はオカメ笹、神楽笹など笹と名前はつきますものの立派な竹の仲間です。最小の種類の竹ですが籠に編むのには物凄くやっかいな性格があって何と伐採してから5日以内に編まないと硬くなってしまいます。竹特有の弾力性やしなりのある素材なのに瑞々しさがなくなると途端に弾力を失い折れやすくなって美しく編めなくなるのです。
つまり、賞味期限5日!これは職人にとったらなかりのハードルの高さです。虎竹のように素材を保管しておいて一年通して選びながら使っていくという事ができません。時間との闘いと話す職人もいますけれど、この扱いの難しさが高知県などでは素材は身近にあるものの「幻」となっていた所以です。
それでも籠に編めれば細い丸竹そのままで使われているだけにケバ立ちもなく防水性の高い優れた性質を持ちます。このようなクズ入れにしてもよいですし、豪快な土佐料理を思い起こさせるような皿鉢のような籠まで素材の太さによって何種類か編み分けられるようになっています。
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