自分が小さい頃から自宅にいつも置かれていたお菓子があって、それが大阪名物「粟おこし」と南蛮菓「ざびえる」なのです。本当にいつも身近にありましたので何処か近くで販売されている地元銘菓かと思っていたほどなのです、ところが粟おこしは、創業1805年と言いますので竹虎の創業より89年も古くから作り続けられてきた大阪を代表する板おこしですし、ざびえるの方は大分市のざびえる本舗さんが大友宗麟の庇護を受けたフランシスコ・ザビエルが南蛮文化を伝えた功績にちなんで50年以上前から作っている和洋折衷のお菓子です。
関西や九州のお菓子がいつもお土産で届くのは、実は自社のトラックで虎竹が定期便のようにこれらの地域にある製造メーカーさんに運ばれていたからだという事を知るのは何年も経ってからでした。
お菓子と言えば最近煤竹を使った3種類の菓子楊枝を新しくご紹介することにしました。煤竹は昔の民家などで囲炉裏の煙でいぶされた竹で茶褐色の色目はいぶされて自然についたものです。100~150年も前の竹で茶道具の素材としても珍重されますけれど囲炉裏のある家屋が無くなった現在ではますます貴重な竹材です。
色合いは長い月日の間に自然と変化していますから燻された度合いによって濃淡があり面白味があります。建材として長く人の暮らしに役立ってきた竹がこうして又再び命を授かり皆様のお手元で活躍するのは素晴らしい事です。
南蛮菓ざびえるは、銀色の包み紙に入った純和風の白餡と金色の包み紙のラム酒に漬けたレーズンが刻み込まれたタイプとがあります。大好物だったので今でも九州のお土産はこれに決まっています(笑)いつもはそのまま手で食べていますけれど、たまにはこんな煤竹和菓子フォークでいただくのも良いかも知れません。
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