煤竹には数奇な運命の物語があります

煤竹菓子楊枝


新しく作られた煤竹菓子楊枝は、なかなかの出来栄えで人気です。和菓子にスッと刃が入りそうなナイフのようなデザインもいいですし、やはり何と言っても煤竹の自然な色合いと物語に魅了されてしまいます。


煤竹茶杓入れ


煤竹とは古民家の囲炉裏の煙で100年、200年と燻される事によって生まれます。茶褐色の色目は煙によって自然に出来たもので、縄目には色が着かずに薄く当時の竹の色合いを残した物もあります。このような茶杓入れ等にも使われますが、現在では囲炉裏のある家屋がありませんので、ますます貴重な素材となっていくのではないでしょうか。


渡辺竹清作煤竹パーティーバッグ


自分の30年ブログには良く登場いただく渡辺竹清先生が、かってニューヨークの有名宝石店T社に納められていた細かい網代編みのパーティーバッグも煤竹でした。竹細工は通常3年から4年経った素材で編まれますので100年以上経過した竹の扱いは難しく、自ずと厳選されます。


煤竹菓子楊枝


煤竹には物語があります。それぞれの竹が長い間、そのお家の人々を見守って来たのです。どこかで煤竹に出会う事があれば、そんな遠い昔から続いてきて今、自分の手元にある煤竹の数奇な運命に思いをはせるのも良いかも知れません。




コメントする