孟宗竹の湯抜き加工

 
孟宗竹


大きな孟宗竹がトラックに積み込まれて運ばれてきました、竹の加工場はどこの地方に行っても長い竹材を置くのに困らない広い敷地があります。土場に沢山積み上げられている竹は竹林から伐り出されたばかりで、まだ多くの方が見慣れた自然そのままの「竹」です。


極太青竹ざる


ところが、その自然そのままの竹材を使う製品は、青物細工と呼ばれる青々とした竹そのままに編み込んでいく籠やざるの他にはあまり多くはありません。


青竹枝折戸


お正月前のこの時期には青竹で庭垣や枝折戸を設える方もおられるので、真竹(青竹)が工場にあると季節を感じますが、それくらい日頃は常時青竹があるという事はありません。そしたら青竹酒器などは別に元日でなくとも注文があるのにどうするのか?と疑問に思われるかも知れませんけれど、実はその都度竹林に行き納品日にあわせて伐採しています。青竹は伐採すると切り口から色がどんどんと褪せていきます、その青さを味わうのは一時の贅沢なもの。だから青竹盃などは、料理屋さんで出された場合に使ったものはお持ち帰りしても結構ですよと言われるのです。


竹材湯抜き釜


さて、そこで青竹では日持ちしない竹材を長く使うために必ずする加工が油抜きです。真竹や孟宗竹でもガスの火を使う火抜きという方法もあるものの、多くは湯抜きと言われる熱湯を使う方法が主流です。細長い円柱形の釜を斜めに設置して作られる湯抜き釜は、数年前までは竹虎ではも使っていましたので非常に馴染みのあるものです。


竹湯抜き釜炎


湯抜き加工をするのは冬の寒い時期、お湯を真っ暗なうちから沸かしはじめて早朝に湯気が立ち昇っている竹加工場が竹虎でも冬の風物詩の一つでした。


竹端材


都合の良い事に竹工場では沢山の竹端材ができますので、これらが燃料となりお湯を沸かします。


竹工場煙突


竹材加工


長い煙突に長い竹材。油抜き加工された竹材はまるでお湯につかってサッパリと垢を落としたように男前になって出てきます。真竹など、あの青さが湯上りには全く違う黄色い色合いになり、さらに冬の天日に当てて美しい乳白色に変わります。太陽に晒すので白竹の事を晒竹(さらしだけ)と呼ぶのです。


今回のYouTube動画では珍しい日本最大級の孟宗竹の湯抜き加工をご紹介しています。




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