近年あまり編んでいないという大きな背負い籠を見せてもらいました。竹編みの背負籠自体があまり多く流通しているものではありませんが、更にこのサイズとなると博物館に展示されているレベルです(笑)。一体何を運ぶための籠だろう?重たくなりすぎて背負えないのではないか?等ご存知ない方からすれば色々と疑問が浮かんでくるのかも知れません。
このような巨大な籠は、枯れ葉や雑草などを集めるために編まれていたのです。農家では堆肥作りをするために沢山の枯れ葉を使っていましたので、重量はないものの、かさばってしまう落葉拾いにはこのような竹籠は欠かせませんでした。まさに軽く、丈夫な竹の特性が十分に発揮された道具だったと言えます。また、このような大きさになると各籠はその農家さんの使う方や、使い勝手によって別誂えで作られる事が多かったのでそれぞれ大きさが違っていたりします。
背負籠というと高い山々の連なる日之影町で「かるい」と呼ばれる背負い籠作りをされていた飯干五男さんを思い出します。名人と二人で過ごしたあの時間、ひとつの籠が編まれるまで数時間かかったはずなのに一瞬だったような...不思議です。
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