高知でも山間部に行けば紅葉が始まっていて行楽には良い季節です。このような時期ではありますものの野外であり美しい景色を求めて行かれる方は多いかと思います。紅葉から落葉になると庭のお掃除、お手入れに活躍する道具のひとつが「熊手」。しかし、年末にも出番があるのではないかと思いますが、日頃からあまり皆様の関心は薄いのではないでしょうか。
熊手を、わざわざ「竹製熊手」あるいは「国産」「日本製」と付けて呼ばねばならないのはホームセンターなどに行くと既に竹の熊手はプラスチック製や金属製の熊手によって隅の方に追いやられていますし更に竹製と言っても輸入品ばかりです。
地元の孟宗竹を伐採し熊手を作る工場など日本にはもうここの一軒しか残っていないようです。大量に使われる事がなくなった孟宗竹がまるで邪魔者のように思われている昨今、ますます貴重な存在になっている熊手工場と言えます。
これだけの数の菊割を付けた大型機械が、これだけ忙しく稼働しているのは恐らく日本でこの一台だけです。
粗割された後、割幅を整え薄く削られた竹が並べられる風車のような機械こそが、この熊手工場の心臓部分。熊手はゴミをかき出す先端の曲りをいかに効率良く強度を持って作られるかが大事なところです。この唯一の熊手工場では回転式曲げ加工機械を開発して連続して次々に大量製造できる仕組みを作っています。
職人が高温に熱した鉄棒を曲げ部分に入れて操作すると竹から湯気があがります。
濃い緑色をした孟宗竹表皮がウグイス色に薄く変色している箇所が熱の入っている部分です。熱を加えながら鉄棒で挟んで自動で決められた角度に曲げられる仕組みでした。
こうして生み出される国産竹製熊手の先端部分。
流れ作業によって次々に扇状に留めていく職人の手際も見事です。
あまり注目される事もない熊手ですが福を集めると酉の市などでは縁起物とされています。多くは安価に製造される国外からの竹製品ではありますが、こうして国産にこだわり続ける熊手工場もある事を知っておいてください。動画の中では先端が曲げられる様子をじっくりとご覧いただけます!まさにミラクルワールド!感動しますよ!
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