竹の旬が良くなって伐採された竹が入り始めると、ようやく少しづつ仕事ができる職人がいる。少し前に復刻したばかりのエビラ(竹編み平かご)四ツ目編みもそんな竹細工のひとつ、このサイズなら思う存分の干し野菜を楽しむことができる。
近年、竹伐り職人が少なくなっていると各地で耳にするけれど、日本一の森林面積84%を誇り山の仕事が多くありそうに思える高知でも事情は似たりよったりである。不足しそうな竹材なら余分にストックすれば良さそうでも実際はそうはいかない。
実は同じエビラでも昔から製作してきた網代編みと、復刻した四ツ目編みでは使う竹材が違っている。伝統的に網代編みには竹ヒゴがしっかりしている孟宗竹を使ってきた、木枠を取り付ける前の平編みでも結構な強度があるものだ。
ところが四ツ目編みとなると孟宗竹のような強さより、しなやかで優しい真竹が編みやすい。
孟宗を伐ったり、真竹を伐ったり...確かに竹林は多くて、伐竹は歓迎されるが年々荒れていて良い竹は随分と少ないのが現状。それを何とか工面して竹編みしたら木枠を付けて仕上げていくのである。
四ツ目編みエビラは古い道具を展示している資料館で見かけてからずっと復刻させたいと思ってきた。同じものを作るのは簡単だが、続けていくのが難しい。そして同じように再現させたい竹は、まだまだある。
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