虎竹右近下駄の修理

虎竹下駄

 
昨日は山葡萄手提げ籠バッグの修理のお話しでしたが、手直しするのは他にも色々とあります。たとえばこの虎竹右近下駄、四角に切り取った虎竹を美しく並べた台部分が傷むことはないものの底がチビてしまいます。あまり下駄を履く機会が少ないと思いますので履き心地についてもご存知ない方が増えたように思いますけれど、桐の歯下駄などお使いいただくと柔らかい材質が歩きやすい反面、意外に歯部分が早くチビていくものです。


虎竹右近下駄


虎竹右近下駄も桐材ですので底の減りは早く、しかもご愛用いただくお客様の歩き方のクセによりチビ方は様々です。そこで修理にお預かりさせて頂くと底部分を均一になるように一旦すべて削り直します。新品の下駄と比べると、このように台部分が薄くなっているのがお分かりいただけます。


虎竹下駄の色合い


それにしても使い込まれた虎竹の色合いというのは良いものです。右側の新しい虎竹に比べ飴色のような深みのある風合いに変わっています。こうなってくると新しい下駄というより「手直しして使えるものならそうしたい」自然とそんな気持ちになってきます。自分も下駄は使用頻度は高くありませんので、30年以上使っているものが3足、4足あります。思えば安価な履物です。




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