根曲竹が雪の重みで根元が曲がっているという話自体は竹関係の方なら誰しも知っている事なのですが、それが実際の竹林となるとあまり多くはありません。日本三大有用竹である孟宗竹、真竹、淡竹に比べますと一般的な竹素材ではない上に成育地域も限られているためです。
しかし伐採される竹林で触る根曲竹は工房で束にされている竹とは同じように青々としていてもやはり生命力が違います。まるで地を這うように伸びて逞しく生きる姿は感動的ですらありました。
伐採して山から持ち帰った根曲竹は水洗いした後に、こうして竹の束を立てて乾燥させます。奈良県の高山茶筅の工房が材料の晒竹(白竹)を同じように並べて干してあるのを思い出しましたけれど、効率よく乾燥させられますので竹虎でも天日干しする竹材は同様にしてズラリと並べています。
こうした素材で編まれる根曲竹細工の籠、今一番のお気に入りは少し大型の手提け買い物籠バッグ。スズ竹の開花によって市場籠が竹材不足となり作れなくなっています、もし代替品として使うならまず一番に思い浮かぶのはコレしかありません。
この大きさですと買い物の量も多くなり重量的にもかなりのものです。土佐の日曜市に続いてやって来た、木曜市などでも気兼ねなく使えるタフさは根曲竹ならではなのです。
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