双子の渡辺竹清作提籃

 
渡辺竹清作提籃


改めて祖父の偉大さを知る作品に出会った。工芸館に展示されている渡辺竹清先生作の提籃に見覚えがある、自社に保管してあるものとそっくりである。それもそのはず、竹虎二代目義治が中国で編まれた籠を元に同氏に復刻を依頼して完成した二つの籠の内の一つだった。


渡辺竹清作提籃


渡辺竹清作提籃金具


聞けば籠に使う金具類もどこかから探して出して来たらしい、なるほど金具ありきの作りとなっている。自分も新しい製品作りでは金具にさんざん悩んできた、竹と金具は難しい。


渡辺竹清作提籃


メイドインチャイナと聞けば意外に思われる方もいるが、日本の竹細工は大陸から渡ってきたものであるし、近代になっても技の多くを学び取り入れて今がある。渡辺竹清作隣に、中国製の籠がひとつ並べて置かれている意味も説明しないと竹虎に何十年務める社員も知らない。


渡辺竹清作提籃網代編み


それにしても角の鳳尾竹のあしらい、飾り金具、仕上げのイボタ埃など見比べてこそ分かる事がある。次回はお手本となったオリジナルの籠も持って出かけたい。


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