昨日は、ほとんど見られない根曲竹玉入れ籠をご紹介いたしました。雪に鍛えられる寒い地方の竹ですから西日本ではあまり見る機会がありませんが、関東で活躍されていた小菅小竹堂さんの作品に根曲竹の掛け花籠があったことを思い出しました。新潟のお生まれですので身近な竹と感じられていたのかも知れません。
竹工芸の世界で人気を誇る飯塚琅玕斎作の花籠にも根曲竹は使われています。東日本では日常的に籠やざるに多用されてきた竹材なので、こうして偉大な大作家の方が花籠に編まれるのも自然なことだったのです。
そう言えば自分の愛用するペン置きにも根曲竹は使われています。一見根曲のようでないと思われそうなものの実は竹と竹とを縛って留めてある部分が根曲竹。このように細かく、まるで籐のような柔らかな使い方ができる竹材は本当に稀です。
ちなみに自分がたまに使う事のあるステッキにも根曲竹のものがあります。この細さで頼りなく感じる方もおられる事かと思います、しかし全体重をのせてもしなりはするものの折れるように素振りは皆無。手に粘りと強さが伝わってくるよう、しかも割れもしない、凄い竹材です。
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