今年の夏も猛烈に暑い日が続いています。そんな中、職人が製造しているのは光悦寺垣、京都の光悦寺に由来する半月形の曲線の中をヤライで組んで仕上げた竹垣です。袖垣に比べても特殊で一般のご家庭で使われることは稀ですが、忘れた頃に一つ、二つのとご注文をいただきます。
今回作っているのは6尺(180センチ)サイズの光悦寺垣、出来あがるとかなりの大きさです。もちろん日本唯一の虎竹を使って作ります、竹林の画像に写るのは「青々とした真竹みたいな竹で虎模様がない」と心配される方がおられると思います。青々とした竹は今年の若竹です、虎竹は3年程度経ってくると虎模様が段々と浮かびあがってきますのでご安心ください(笑)。
光悦寺垣の巻竹は芯部分の孟宗竹のゆるやかな曲線に沿って巻いていくので長めのものが必要です。庭の演出に欠かせない垣のひとつのバリエーションとしてずっと続いてきたものの近年は定番のサイズというより先の牧野植物園さんに設置させていただいたような別誂えが主流になるのかも知れません。
これだけ存在感のある竹垣です、やはり置き場所を選んでしまうのは仕方ありません。しかし思えば自分の入社した30数年前に3尺から7尺まで各サイズを定番のように製作していたのですから日本人の暮らしはここだけ見ても大きく変化していることになります。
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