昔から温泉籠と呼ばれて温泉場で使われていた手付き籠があります。オーソドックスな形の籠なので竹虎では似たような籠が農家さん向けとしても販売されてきましたが現在ではお客様のお好みで様々な使われて方がされています。それにしても長く製作できなかった大きなサイズを含めて久しぶりに沢山編み上がってきましたので思わず笑みがこぼれます。
この季節にはザル蕎麦をいただく機会も多く、竹ざるを目にされる事も多いのではないでしょうか。緻密な編み込みのザルは蕎麦の味を何倍も美味しく感じさせてくれます。
また、青竹でしっかり美しく編まれた道具を使うと仕事の能率も上がります。
沢山編み上がる籠がある一方で、欲しくても出来ない梅干しざるがあります。それは今年の分の材料が無くなってしまったせいなのですけれど、竹林には青々とした竹がいくらでもあるそうなのに何故か?と不思議に終われてお問合せいただきます。
竹は品質管理のために晩秋から冬場にかけての寒い時期にしか伐採しません。虎竹や白竹の場合には油抜きをすることによって竹の耐久性が上がり数年前の竹でも加工に使用できます。しかし、青竹細工の場合には油抜きすると、命でもある青さがなくなってしまいますので今年用の竹は今年中に使いきるのです。つまり、その時期に伐った竹がなくなれば青竹細工は終了、次期の伐採までは竹材のない状態が続きます。職人だけでなく竹材にも苦労もするこの多い青物細工は沢山編まれるだけで嬉しくなるのです。
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