9回逆転サヨナラ勝ちの、甲子園高校野球交流試合

 
虎竹の里


虎竹の里の浜辺から沖を眺めると半島のように突き出した野見と戸島、中ノ島、神島が見える。小さい頃には竹虎の工場が近くにあって、浜に竹材を並べてズラリと干していたので毎日の遊び場だったから、これらの島々の形は目に焼き付いている。だから中学高校の6年間を過ごすことになる全寮制の明徳に入学した時、後ろを振り返るとこれらの島々があって「ああ、遠くへ来てしまったものだ...」と寂しくも思った記憶がある。


そんな明徳が今年のコロナウィルスの関係で中止となっていたセンパツ出場予定だった32校と共に甲子園高校野球交流試合に参加した。テレビで最後のシーンだけしか見られなかったが鳥取城北に何と9回逆転サヨナラで勝利をおさめた。


竹虎社員


実は自分の明徳時代は最低だった。何をやっても中途半端、スポーツや勉強で活躍する周りの皆をまぶしく、うらやましく思って眺めているだけ。ところが、そんな落ちこぼれの自分に当時の吉田幸雄校長は「おまん、日本一の竹屋やろうがっ!」と何かに付けて大声で叱咤激励してくれた。


中学、高校時代、何をやっても諦めてばかりの出来損ないに何か元気づける事をと探しても良い所が見つからなかったので竹虎の事を持ち出してきたのだと思う。しかし、それが染み込んだ。卒業生スピーチに選んでいただき30数年前に卒業証書を受け取った場所に立ち、全校生徒を前にして確信した。野球部の後輩たちが大逆転を見せてくれたように、今度の危機を自分達は逆転せねばならない。今もこれからも、ずっと9回裏の状態だ。




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