竹、笹をお話しする時に、もうひとつ忘れてはならないのがバンブー類です、真竹や淡竹のように地下茎を伸ばして広がることがなく株立ちで成長する竹です。高知で良く目にします蓬莱竹(ホウライチク)は、元々は熱帯系の植物で日本には火縄銃に使うために入って来た竹ですが、株立ちで田畑に広がる事もなく、しっかり土壌を固められる事から護岸用として多用されてきました。
何度かお話ししていますように、川の流れの急になるポイントには良く植えられているので小さな頃からずっと不思議に思っていた竹なのです。高知ではシンニョウダケとも言われる竹、よほど川縁が好きな竹だと勝手に思っていたものの後から考えると全て人が防災を考えて植えたものでした。熱帯系の竹ですので南国土佐の暑い日差しの気候が合うのでしょう、この蓬莱竹もかなりの大きさです。蓬莱竹がこれくらいに成長するには100年近くかかっています、つまり長い間この川の流れを見守り続けてきてくれた地域の守り神とも言えます。
昔から台風銀座と呼ばれ大雨に悩まされてきた土地柄です、このような蓬莱竹の林は珍しくありません。知らない土地だとしても遠くからでも一目で分かります、こうして並んで繁る蓬莱竹に沿って川が流れています。もちろん護岸用として活躍するだけではなくて、その節間の長さを活かした竹細工にも使われてきました、蓬莱竹(ホウライチク)の竹ざるに少し書いていますので関心のある方はご覧ください。
竹類、笹類、バンブー類と竹と言っても色々と種類があることがお分かりいただけたかと思います。日頃何気にご覧いただく竹も日本人の暮らしに昔から深く関わってきただけに少し知っていると面白い事があるのです。孟宗竹と淡竹、普通の方からすれば太さ以外に見わけのつかない竹も、この動画で簡単に見分けられるようになります(笑)。
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