かぐや姫の竹の秘密

孟宗竹、かぐや姫の竹


「これぞ竹取の翁が竹林で見つけた、かぐや姫の竹です。」


そう言ったら、いかがでしょうか?なるほどと信じられる方もおられるのではないでしょうか?それくらい光輝いて見える竹があります。一年中いつでも見られるわけではありません、今年の梅雨は長雨で困っていますけれど日中でも薄暗いような曇り空の日に竹林に行くとこのような竹を見つけられる事があります。


孟宗竹


晴れた日に行くとこのような普通の竹にしか見えないのに、どうして白く光っているように見えるのでしょうか?実は二つの要素があります、一つは若竹、そしてもう一つは湿度です。


孟宗竹


孟宗竹の若竹には産毛のような細かい毛が表面に沢山あります、筍から竹になってドンドンと成長していく時期にちょうど梅雨があって竹達にとっては水分豊富で好都合なのですが、その湿気が生まれたばかりの竹表皮について少し暗いような竹林の中では輝きを放ち本当に浮かびあがって見えるのです。


竹虎四代目、虎竹の里


ただ孟宗竹というのは渡来種で1728年に京都に移植されたという説と1736年に鹿児島に移植されたという説がありますがどちらにしても300年足らず前の話です。かぐや姫の登場する「竹取物語」は日本最古の物語と言われていて9世紀から10世紀に出来たそうなので当時の日本には孟宗竹はなかったのです。


それでは一体、かぐや姫の生まれた竹は何なのか!?以前に竹取物語に登場する「光輝く竹」の秘密にも書きましたけれど淡竹に間違いありません。陽の当たり方によって山の中でやはり光輝く様子は神々しささえ感じます、竹は竹林にある時が一番なのです。




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