漆塗した竹しゃもじ

竹カトラリー


今の日本人にとって竹は少し遠い存在かも知れませんが、それでもあえて言うとするならば一番近いと思われるのは孟宗竹だと思います。京都の美しい孟宗の竹林はメディアなどでも目にする機会がありますし、筍を食すといえ一般的には孟宗竹です。一番近く馴染みのある竹ではありますけれど、実は昔から日本にあった竹ではなくて今から300年近く前の江戸時代に海を渡って来た竹なのです。


孟宗竹


孟宗竹の特徴はとにかく太くて長い事、日本最大級の竹なので日本に入って来た当時は竹材としても、食材としても国中で珍重され日本各地に移植されて現在に至っているのです。ところが竹が使われなくなり忘れ去られている現代、この孟宗竹の利用価値もなくなってしまいました。


淡竹手提げ籠バッグ製造


竹細工という点からみますと硬くて使いづらいと敬遠されて孟宗竹を籠やざるに使っている職人は日本で最後となった土佐箕や、籠やザルなど昔ながらの職人達の本当に極一部です。改めて孟宗竹が他にどれだれ活用されているか考えてみましたら青竹踏みやワインクーラー、首まくら、竹丼など数点しかありません。


漆塗り竹しゃもじ


暮らしの中にある竹に孟宗竹の出番が少ない中、竹箸や竹カトラリーには厚みのある身を活かして孟宗竹を多用しています。竹箸と一口に言いましても多々ありますし、竹カトラリーも並べてみると案外多いものです。先日は竹しゃもじに漆を塗布してみましたけれど、なるほど高級感が全く違うし耐久性も比べ物にならないのではないかと感じました。少し孟宗竹の出番があって、ホッとしています。


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