竹虎四代目が自ら人体実験!?竹酢液大実験2020

竹林


ようやく梅雨が明けて南国の空が帰ってきました!セミ時雨の途絶えることのない一日、雨で出来なかった外の仕事もあって室外にでますと鰻登りの気温の中クラクラするほどです。


蚊取り線香籠


そこで、昼過ぎにはゴロリと横になって休みたくなりました。もちろんエアコンなどありません、扉を開け放した板の間で必需品は蚊取り線香、そして線香籠。ちょっと風流でもある黒塗りの竹籠についてはYouTube動画でも詳しくお話しさせていただいています、是非ご覧ください!




さて、いかがだったでしょうか?蚊取り線香は夏の香り、幼い頃に蚊帳(かや)に入って眠った夜の事を今でも懐かしく思い出してしまいます。しかし、蚊取り線香もいいですけれど昔から防虫用として使われてきた竹酢液をご紹介したいのです。竹酢液は竹炭を焼いた時の煙を冷やして採取した液体で、入浴剤として愛用されていますが実は高い防虫効果が言われているのです。


そこで今回は雨あがりの虎竹の里の竹林にて竹虎四代目自らが人柱となり大実験を敢行していますのでご覧いただけると嬉しいです。




ところが意を決して腕をまくり大実験に臨んだものの、ご覧のように第一回目は蚊が少なくて失敗しました!さすが手入れの行き届いた虎竹の竹林では蚊もいないのです、もう少し蚊の沢山いる竹林に移動します。


竹林


うっそうとした竹林ならすぐに見つかります(笑)ここで気を取り直して大実験再開です!




さて、皆様いかがだったでしょうか!?蚊除けの絶大な効果に驚かれた方もおられると思います。実は数年前に一度だけチャレンジしたことのある実験でした、今回改めて竹酢液パワーを感じています。でも良い子の皆様は、くれぐれも真似をしないでくださいね(笑)。


梅雨時期の青物竹細工

エビラ、箙


エビラは養蚕が盛んな時代には、今では考えられないような数で作られていたので比較的沢山残っている物なのです。しかし、高知で見かけるのは網代編みか四ツ目編みばかりで、このようにゴザ目に編まれたものは珍しいのです。蚕棚で使うには四角い形のほうが良いように思いますが九州にはカイコバラという平らな網代編み丸ざるがあったし、東北では六ツ目編みの丸ざるが使われていました。


四ツ目編み


今では梅干しに使ったり、野菜を干して乾燥野菜を作るのに使われたりお客様によって使い方はそれぞれです。今年はじめて作った四ツ目編みエビラも久しぶりに復活した四ツ目編み丸ざる60センチや40センチサイズと共に好評で良かったです。


二重編みざる


竹虎では大きい竹ざるは基本的に2尺(60センチ)にしています。これだけの大きさがあって、しかも二重編みになった竹ざるも品切れになりました、「来月には編みあがりますか?」とご質問をいただきますものの竹材自体がなくなっていますので秋以降の竹の旬が良くなってからでないと製造はできません。


匠竹ざる


竹は竹林に沢山あるから、まさか材料が無いとは考える事はないのかも知れません。もちろん竹自体は毎年生えてまさに無尽蔵というくらいありますけれど、伐採する時期が決まっており、その竹に適した時期に伐った材料を保管しておいて一年通して使っていきます。ですから、ある竹製品が予想以上に足らなくなったとしても途中で竹材を確保できませんのでそれ以上作ることはできません。


今年の長かった梅雨では、青竹細工の大敵であるカビや虫にも注意しています、匠の横編み竹ざる65センチは美しく最高の逸品なので喰われたら大変だと先日熱湯消毒しました。竹の青さはぬけてしまいましたけれど品質は全く問題ありません、お使いいただくうちには自然と同じような変色をしていきます。竹の本当の魅力はそれからなのです。


竹根の工芸品

 
竹虎四代目


祖父の頃の物なのでかなり古いものです。手がけた職人さんを訪ねた事がありますが随分と前に他界されていてお会いすることも叶わず、この竹根の作品について深く知る事ができずにいました。その後同じように竹根を使い茶碗を創作される方に出会い、運よく素材の管理から完成まで拝見させていただき思う以上に手間のかかる工程に驚いたものです。


竹棗


しかし、自分の聞いていた竹根竹器の製法とは微妙に違っています。完成する山の頂上は同じ場所ですが、登り方には職人によって色々と道があったのでした。いずれにしても、ひとつ、ふたつと何時の間にやらお客様にお求めいただいていたものが、今ではあまり見向きされなくなって竹虎本店では重鎮のようになっている竹器たちなのです(笑)。


竹棗


30年以上もガラスケースに入っている。意外と割れも入らない事を見ただけで作り手がいかにこれらの作品に真心を込めていたかが分かります。素材を厳選に厳選したに違いありません。


竹茶碗


実は自分は20年前から、この作家の方の竹根茶碗を使わせてもらっています。本来はご飯茶わんではないのでしょうが使う人の自由に愛用するのが竹のためです、棗にしても平らな形のものは宝石箱などとてし使っても、デスク周りでUSBかイヤホン入れなどにしても面白いと思います。


竹根菓子器


竹根菓子器


蓋付きの菓子器は、かなり大きいので色々な使い方ができそうです。作品に共通するのは竹根や竹節の自然な形を活かしていること、ひとつひとつ違うオンリーワンな容器となっています。


竹器


竹器


竹根菓子器


竹根菓子器


竹根菓子器


竹根急須


竹急須セット


このような竹根工芸をされる方はいなくなりましたけれど、竹根の美しい作品に触れていると作家も祖父も魅せられた竹が何なのか?少しづつ伝わってくるようです。


竹サムライ、スペイン爆走!?YouTube動画完成

 
スペインポックスカートレース


本当ならば今年も8月にスペインビトリアでは、あの熱いレースが開催されるはずでした。ボックスカートレースは日本ではあまり馴染みがないものの欧米では小さなお子様から大人まで結構人気のあるスポーツです。自分が参加した昨年の大会にも30を超えるチームが思い思いのレースカーを仕立てて参加されていました。


ビトリアは今まで行った海外の街の中でも最高に素晴らしい街でした。人は陽気で明るく開放的、昼間から空いている酒場のカウンターでみんな飲んでいて、ちょっと高知に似ているなあと感じました。きっと又お伺いできる日が来ると思いますが昨年ビトリアで走り、帰国してからは東京よみうりランドで開催されたレッドブルボックスカートレースで準優勝まで勝ち取ってくれた竹の車「REIWA-125号」を今回は詳しくYouTubeでレポートしてみました。


竹虎四代目、虎竹アーマー


今から思い返しても竹虎創業125周年にふさわしい記念すべき企画だったと思っています。そして、なんとも奇跡的なドラマがありました、虎竹の車に虎竹の鎧兜はやはり今見ても凄いです。




虎竹縁台の作り方

 
虎竹縁台職人


日本唯一の虎竹を使ってずっと作り続けている縁台があります。竹虎二代目義治が考案してすでに40数年が経っていますが皆様にご愛顧いただきながらロングセラーとなっている製品なのです。


虎竹縁台製造


さて、それではこの虎竹縁台は一体どのように製作されているのでしょうか。脚部分を竹から木材に変更した他は、形、大きさ、構造まで昔からほとんど変わる事がありません。


虎竹、竹虎四代目(山岸義浩)


両サイドには特産の虎竹を使用しています、頃合いの太さで節間の短い元部分の竹は土場の選別作業の時から特別に選り分けられています。太さ、節間に加えて色合いと三拍子そろった竹なので実はかなり難しいのです。


虎竹縁台


座面に並べているのは同じく特産の黒竹です。びっしり隙間なく使えるように真っ直ぐな竹を使いますけれど、もちろんこんな真っ直ぐな竹は自然にはありませんので一本一本すべて「矯め直し」されています。これはガスバーナーで炙って油抜きをする際の熱を利用して矯正するのです。鉄は熱いうちに打てと言われますけれど竹も熱いうちだと曲りを真っ直ぐにできるのです。


虎竹縁台、職人


黒竹を四万十カズラで縛っていくのも昔からのやり方、こうやって職人の仕事を見ていると内職のおばちゃんを思い出します。忙しい時期にはこの座面の工程だけすぐ近くで製作頂いていた事もありました。


虎竹縁台


竹の縁台と聞くと若い方はご存知ないし、ある程度のお年の方は古いイメージしかないのかも知れません。けれど、モダンな雰囲気に溶け込むのが竹の素晴らしいところです。ずっと長く製造できているのがその証だと思っています。




There is a final word, "No Bamboo No Life"最後に締めくくった言葉「竹こそすべて」

 
竹虎四代目、虚無僧


国内の移動でさえも今までのように何処へでも自由にというわけではありません。ましてや海外など現時点では少し考えられない感じです、ほんの今年の1月まで思いもしませんでした。再開したパリで開催されているフランス国内巡回展「日本の日常生活の中の竹」はリオン、ツールーズと続いていくので各会場に行くことを楽しみにしていましたが叶いません。


せめて虎竹と縁のある五台山は牧野植物園のすぐ近く竹林寺にレベンソンさんの作った尺八片手に出かけようか...しかし、こうして虚無僧笠など被れば誰かは分からないでしょう?(ハッキリ分かる!)


竹虎四代目(山岸義浩)


まあ、そんな冗談はさておき海の向こうに何のためらいもなく渡っていたのがウソのようです。もう一昨年の事になりますかメキシコで開催された第11回世界竹会議(11th World Bamboo Congress Mexico)には日本唯一の虎竹電気自動車「竹トラッカー」まで運びこんでいました。少しタイミングが違っていたら、あんな事もできなかったのだと思うと運が良いとしか思えません。


今秋に開催予定だった世界竹会議台湾は来年に延期されています。竹の専門家達が集まり、竹の可能性を感じられる最高に楽しい機会なのに本当に残念です、そこで前回のメキシコ大会の講演内容をまとめてみる事にしました。




国産竹皮草履のB級品

 
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現在、竹皮の採取や乾燥などの作業が長雨で遅れている事もあって欠品になっている国産竹皮草履です。十年前なら「国産」などという表記はしていませんでした、昔からご愛用いただく常連の皆様は国産の竹皮草履のことを良く分かってくださり安心していますが、初めての皆様の中には日本製の草履を価格でしか判断でないようです。なので「国産」とハッキリ明記して昔からの伝統の灯を少しでも守り続けていきたいという思いなのです。


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さて、そんな国産竹皮草履に実はB級品があるのです。手仕事する担い手ばかりか素材を集める職人さえも少なくなりつつある日本のモノ作り共通の課題かも知れませんが、手が若かったり竹皮素材や職人さんによってどうも一般の商品と同じにお譲りできない草履たちです。


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詳しくはページに掲載しておりますので是非ご覧いただきたいと思っていますけれど、このような質の落ちる竹皮草履も実際には少し目をつぶっていただくと良品と同じようにご愛用いただけるものがあります。せっかく竹皮職人が一生懸命に編んだものが皆様のお役にたつことなく朽ちていくのは忍びありません。


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このように手間のかかる国産竹皮草履です、その灯を少しでも繋げていけるようご理解いただけるお客様にだけお使いいただければと考えています。




玄関が料亭になる?黒竹すのこの作り方

竹虎職人


黒竹玄関すのこを作ったのには、いつか見た古民家の月見台の思い出があります。開放的なスペースにワクワクしましたけれど、昔の民家というのはたとえ大きなお宅ではなくてもちょっとした遊びの空間があって、そんな場所には決まって竹が使われていたのです。


黒竹玄関すのこ


あんな楽しく心休まる場所を現代のご自宅にも作る事ができないか?虎竹の里のお隣、中土佐町では昔から特産として知られた黒く渋い光沢が高級感を醸しだす黒竹があります。日本唯一の虎竹と同じくらい馴染みの竹材なので玄関すのこと決めてからはすぐに出来あがりました。


黒竹玄関すのこ


一枚だけでも普通のご家庭でしたら十分なサイズだと思います。さらに長くつなげて軒先でご使用されたり、ベランダに敷き詰めたりお客様によって色々なご使用の仕方をされています。


別注黒竹玄関すのこ


幅や高さを別注サイズで製作させていただく事も多く、ご自宅にピッタリのお好みの大きさでご愛用いただけます。


竹虎四代目、黒竹玄関すのこ


足を踏み込んだ時の黒竹ならではの独特のしなりと感触が足裏にたまりません。


黒竹簀の子


「玄関が料亭っぽい感じです。」そんなお声をいただくようになって実は職人が一番喜んでいるのです。




かぐや姫の竹の秘密

孟宗竹、かぐや姫の竹


「これぞ竹取の翁が竹林で見つけた、かぐや姫の竹です。」


そう言ったら、いかがでしょうか?なるほどと信じられる方もおられるのではないでしょうか?それくらい光輝いて見える竹があります。一年中いつでも見られるわけではありません、今年の梅雨は長雨で困っていますけれど日中でも薄暗いような曇り空の日に竹林に行くとこのような竹を見つけられる事があります。


孟宗竹


晴れた日に行くとこのような普通の竹にしか見えないのに、どうして白く光っているように見えるのでしょうか?実は二つの要素があります、一つは若竹、そしてもう一つは湿度です。


孟宗竹


孟宗竹の若竹には産毛のような細かい毛が表面に沢山あります、筍から竹になってドンドンと成長していく時期にちょうど梅雨があって竹達にとっては水分豊富で好都合なのですが、その湿気が生まれたばかりの竹表皮について少し暗いような竹林の中では輝きを放ち本当に浮かびあがって見えるのです。


竹虎四代目、虎竹の里


ただ孟宗竹というのは渡来種で1728年に京都に移植されたという説と1736年に鹿児島に移植されたという説がありますがどちらにしても300年足らず前の話です。かぐや姫の登場する「竹取物語」は日本最古の物語と言われていて9世紀から10世紀に出来たそうなので当時の日本には孟宗竹はなかったのです。


それでは一体、かぐや姫の生まれた竹は何なのか!?以前に竹取物語に登場する「光輝く竹」の秘密にも書きましたけれど淡竹に間違いありません。陽の当たり方によって山の中でやはり光輝く様子は神々しささえ感じます、竹は竹林にある時が一番なのです。




100倍にした水鉄砲「ザ!鉄腕!DASH!!」の思い出

 
竹虎四代目、孟宗竹


孟宗竹を半割にする事などめったに無いので、どうしてもあの「ザ!鉄腕!DASH!!」の夏を思いだしてしまいます。最初はテレビ局さんからの何気ない電話からだったのですがお馴染みの水鉄砲への問い合わせでした。しかし、詳しく聞いていくうちに驚かされました、何と大きさを100倍にしたいとの事だったからです。


実は日曜日のその時間帯は毎週決まって大河ドラマを見る関係で夕方よりずっとNHKにチャンネルはあわせたままでした。裏番組の日本テレビでTOKIOのメンバーが面白いチャレンジをいつもしている事は知っていたものの、それまでは正直あまり観る機会はなかったのです。だから知りませんでしたけれど何でも100倍にしてしまう企画がシリーズのようになっているとの事でした。


「水鉄砲を100倍にする!?」


水鉄砲は15センチくらい長さなので15メートルっ!?まず聞いただけで無理です。竹虎の工場は長尺の竹を扱うので結構広く天井の高さもあるのです、しかし、それでも一番沢山加工するサイズは4メートル、長くともせいぜい7メートル程度なのです。


それが15メートル...!2倍以上の長さ、しかもの長さの水鉄砲を100人で突きたいと言います。番組の方達は本当に面白いアイデアを考えるのだなあ、机上の空論としては楽しいし夢もある、だけど絶対に不可能だ。電話を切ろうとしたときに


竹虎四代目


「日本全国の竹屋さんに断られました。」


実は竹虎に話を持ってくるまでに色々とリサーチして関東近辺、関西などであちらこちらに当たっていたそうなのでした。それはそうでしょう、素人考えでもかなりの困難が予想されるので頻繁に行き来する事を思えば遠い高知の片田舎より交通の便の良い都会がいいに決まっています。ところが何処に相談しても製作できないと断られた...。


「カチリ」


竹虎四代目のスイッチが入りました。誰もやれないのなら自分達がやらないでどうする?竹に不可能はない。こうして、2013年9月1日の放映日に向かって長く暑い途方もないチャレンジが始まったのです。しかし、久しぶりに思い出しましたTOKIOのメンバー長瀬さん、松岡さんが来られて虎竹の里で竹を伐ったり当日は、しんじょう君も来て撮影現場となった新荘川はお祭りのようでした。詳細は虎竹の里の「ザ!鉄腕!DASH!!」な一日にまとめています。今は水鉄砲と言うとYouTube動画でチラリと登場するくらいでしょうか(笑)。




虎竹万年筆

虎竹万年筆


随分と長く皆様をお待たせしてしまった虎竹万年筆が出来ました。虎竹模様を細かく編み込んだ緻密さに魅入ります、手にすると網代編みされた手触りが心地いい、同じように製作しても同じには出来ないオンリーワンの風格、ずっと指先で感触を楽しんでいたくなるほどです。


虎竹万年筆


ベースはプラチナ万年筆プレジデントでペン先は高級感ある独特の大型18Kロジウムメッキ染分け、いくらスペシャルな虎竹万年筆といっても書き心地こそ大事な部分です。


愛用の虎竹ペン


もう10年近く愛用している虎竹水性ペンと比べてみました。なぜ万年筆ではないのか?やはり最初は自分が使いたくて作りますので自分の場合は万年筆よりも水性ボールペンの出番が多かったのです。そして、ボールペンでもアセチロイドを使って手作りする職人さんと出会いがあって「あんた竹虎なら虎模様やろ」と作ってもらったペン先なのです。


渡辺竹清作煤竹アタッシュケース


しかし、こんな万年筆が例えばこんな同じ網代編みされたアタッシュケースから出てきたらどうでしょうか?


スズ竹アタッシュケース


このスズ竹アタッシュなら、どうなりますか?


渡辺竹清作煤竹バッグ


いやいや小さい虎竹万年筆は渡辺竹清作煤竹バッグにも入ります。女性の方でもこんなバッグから普通に取り出して書きだしたら言葉がでなくなるのでは...!?ああ、妄想は尽きません。


無塗装の竹箸に匠の技

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「無塗装のお箸はありませんか?」たまにお客様からお尋ねいただく言葉です。竹箸をはじめとした竹カトラリーや竹丼など食卓で使う竹製品には、ほとんどクリア塗装がほどこされています。生の竹は論外としても油抜き加工した竹材でも湿気の多い台所での使用にはカビや調味料等によるシミなどが考えられるからです。


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なので、この無塗装竹箸はかなり珍しい製品です。管理が難しいので職人が少しづつ手作りしていて在庫を置く事もありませんので納品までにお待ちいただく場合が多いお箸です。


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ただの無塗装箸といだけではありません、持ちやすいように長方形に削られている持ち手部分。


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敏感なアレルギー体質でクリア塗装のものであってもお使いいただく事のできないお客様には喜んでいただけるかと思いますが、すべらないようにと先端まで綺麗な四角形をしていたり、箸先を長く皮むきするなど熟練の職人技と、箸づくりにかけている心意気を感じる竹箸です。


虎竹箸は管理や耐久性を考えて無塗装にはしていません。そのかわりクリア塗装ではなく漆で仕上げているのです。




土用干しに一生使える匠の横編み竹ざる

竹ざる


この平ざるは凄い。まず見た目の美しさに心うばわれますが、さらに竹材は昨日お話しした孟宗竹が使われているレアな竹細工の一つでもあります。


孟宗竹


孟宗竹はガッシリとした当縁と幅広の竹骨部分に使われています。武骨一辺倒のイメージがある竹が熟練の手業にかかれば、これだけ繊細で優美なか形に生まれ変わるのに驚きます。


淡竹ざる


さらに横編みに使われている細い竹ヒゴは3合用の米とぎざるにも使われている淡竹。


淡竹


日本唯一の虎竹も淡竹なので、とにかく淡竹には親近感がわきます。だからいう事ではありませんが匠の横編み竹ざるは現在編まれる竹ざるの中では最高峰の逸品です。




漆塗した竹しゃもじ

竹カトラリー


今の日本人にとって竹は少し遠い存在かも知れませんが、それでもあえて言うとするならば一番近いと思われるのは孟宗竹だと思います。京都の美しい孟宗の竹林はメディアなどでも目にする機会がありますし、筍を食すといえ一般的には孟宗竹です。一番近く馴染みのある竹ではありますけれど、実は昔から日本にあった竹ではなくて今から300年近く前の江戸時代に海を渡って来た竹なのです。


孟宗竹


孟宗竹の特徴はとにかく太くて長い事、日本最大級の竹なので日本に入って来た当時は竹材としても、食材としても国中で珍重され日本各地に移植されて現在に至っているのです。ところが竹が使われなくなり忘れ去られている現代、この孟宗竹の利用価値もなくなってしまいました。


淡竹手提げ籠バッグ製造


竹細工という点からみますと硬くて使いづらいと敬遠されて孟宗竹を籠やざるに使っている職人は日本で最後となった土佐箕や、籠やザルなど昔ながらの職人達の本当に極一部です。改めて孟宗竹が他にどれだれ活用されているか考えてみましたら青竹踏みやワインクーラー、首まくら、竹丼など数点しかありません。


漆塗り竹しゃもじ


暮らしの中にある竹に孟宗竹の出番が少ない中、竹箸や竹カトラリーには厚みのある身を活かして孟宗竹を多用しています。竹箸と一口に言いましても多々ありますし、竹カトラリーも並べてみると案外多いものです。先日は竹しゃもじに漆を塗布してみましたけれど、なるほど高級感が全く違うし耐久性も比べ物にならないのではないかと感じました。少し孟宗竹の出番があって、ホッとしています。


雑誌「Fortuna」に掲載いただいた白竹三段ピクニックバスケット

三段ピクニックバスケット


ご家族やお友達と行く行楽にピッタリの弁当箱をご存知でしょうか?あれこれ欲張って詰め込みたいあなたも、きっとご満足いただける三段式になって収納力抜群の竹弁当箱、それが白竹三段ピクニックバスケットです。


雑誌「Fortuna」


今回、雑誌「Fortuna(フォルトゥーナ)」に掲載いただきました。特集が暮らしをハッピーにするモノ・コト・ヒトとありますので今まさに求められている事かも知れません。


ピクニックバスケット


竹弁当箱の種類は実は色々とあるのです。お二人でちょっと海や山へお出かけする気軽なランチタイムにお手頃なピクニックバスケットは、持ちやすい取っ手が両側に大きく開けますので便利にお使いいだけます。


竹弁当箱


スズ竹弁当箱


スズ竹弁当箱は毎日のお昼用として一番愛用されている竹弁当箱ではないかと思います。しなりと丈夫さを併せ持ち、通気性も良いのでオニギリも蒸れずにお昼が待ち遠しくなる美味しさです(笑)。


竹ランチボックス


竹弁当箱などと聞きますと昔から古めかしいイメージをお持ちではありませんか?ところが、この白竹ランチボックスなどご覧の通り都会の真ん中でご愛用いただける程の洗練されたお洒落さおも併せ持っています。


竹弁当箱


そして、白竹三段ピクニックバスケットを先頭にサイズのバリエーションも豊富なので、お使いの用途にあわせた竹弁当箱はきっと見つかるのではないかと思います。そうそう、少し前にご紹介した竹弁当箱のYouTube動画も良かったらご覧ください。




竹の抱き枕でお昼寝タイム

 
抱き枕、竹虎四代目


竹の抱き枕は、かって扇風機やエアコンがなかった時代に夏を少しでも涼しく快適に過ごしたいと先人が考え、まさに言葉どおり編み出された竹細工のひとつなのです。人が考えることは国や文化が違っても似ているとみえて、このような竹製抱き枕は日本だけでなく韓国、中国、台湾などでも全く同じような形のものを見た事があります。


抱き枕


竹は熱帯性の植物で赤道直下の国々には沢山ありますので材料に困ることはありません。きっともっと南の高温多湿のアジアの国々でも抱き枕に限らずヒンヤリとした竹の感触と通気性を活かした竹編みは多いのではないかと思います。


竹抱きまくら


先日はお客様から普通サイズの半分くらいの長さの別注抱き枕のご要望をいただきました。このような短い大きさをどのように使われるのか不思議に思いましたら何と椅子に座るときの腰当てにされるとの事でした。


白竹抱き枕


少し高さもあって硬いですけれど、こうして竹枕として使う事もできます。


竹抱きまくら


今年の梅雨は本当に雨ばかりで各地で災害もあり心傷みます。早く夏の太陽が戻ってくることを祈るばかりです。




竹のアクセサリーについて

 
竹アクセサリー


竹は日本人にとって身近であるし、量的にも申し分なく、木材に比べると扱いやすく加工もしやすい素材でしたので昔から様々な使い方をされると同時に随分と研究もされてきたのです。このような装飾性の高い竹アクセサリーは人の暮らしの中から必然的に生まれたというよりも、豊かにある竹林の恵みをもっと広く活用できないかという作り手のたゆまぬ努力が実を結んだものでした。


竹アクセサリー


45年間も倉庫で眠り続けていたアクセサリーは竹の特性を見事に活かしきっているのが素晴らしい所です。細く竹ヒゴを取って曲線美を強調したり、編組模様をデザインにしたり竹細工にとっては新しい魅力を表現した画期的な製品でした。太い孟宗竹を球形や楕円形に削り出してネックレスやブレスレットにしたものも当時は大量に製造されて店頭で販売されていく様子はブームと言ってもよいのではないかと思うほどのヒット商品だったように記憶しています。


竹アクセサリー


当時を振り返ってみると様々な竹製品が次々に作られ人気を博していました。倉庫から見つかった竹アクセサリーは極一部とはいえ形や色のバリエーションの多さに驚きますが、それが一世風靡していた人気の証ではなかろうかと思うのです。


虎竹ヘアピン


現在ではあまり見ることのなくなっていた竹アクセサリーですが、この虎竹髪飾りのように少しづつ作っているものがあります。


虎竹鈴


アクセサリーとは違うものの同じく虎竹で作った福音鈴が編み上がるまでを動画にしましたら予想以上に沢山の方にご覧いただいています。手作りにご関心のある方が多いのだと嬉しくなります。




磨きの竹ショルダーバッグ

竹虎四代目、竹ショルダー


いよいよ竹バッグの最後を飾るのは真竹を使った磨きの竹ショルダーバッグです。竹籠に負けないくらい上質の革ショルダーを付けているあたりが若々しい感覚ですが、バックパックが流行っているように両手が自由に使えるので確かに便利です。


竹虎四代目、竹ショルダー


しばらく雨ばかりが続いて外を歩くこともできませんけれど、晴れたらおでかけのお供に竹帽子と一緒にセットでもってこいの竹籠です。


竹虎四代目、竹ショルダーバッグ


このショルダーバッグのポイントは何と言いましても底をガッチリとガードする割竹。両端に節を入れているのもいいです、もちろんまだまだ改善するところはあるものの磨きの竹ヒゴと竹表皮を付けたままの底部分とのコントラストが段々と鮮明になってきました。これから少しづつ使っていけそうです。


竹手提げ籠バッグが編み上がるまでをYouTube動画でご覧ください

竹買い物かご


今週は竹手提げ籠バッグについてずっとお話しさせていただきました。この籠は、生活の中で使われてきたザルや手付き籠を編んでいる昔ながらの職人が淡竹(はちく)の表皮を薄く剥いだ竹材で作っています。美しい形ながらも品質第一の丈夫さと素朴な雰囲気を持つ手提げです。


竹ハンドバッグ


そこで少し見た目のポイントがあればとの思いもあって持ち手部分に黒革を巻いて仕上げてみました。
きっと似合うだろうとは予想していましたが、想像以上にしっくりきたのでそのまま定番としているのです。


竹手提げ籠


竹手提げ籠バッグ


手に持っていもいいですし、腕を通してのお使い心地もよいのでお陰様で皆様からご好評をいただく手提げ籠バッグのひとつとなっています。


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では、そんな籠が一体どのようにして編み上げられていくのか?今回はYouTube動画でじっくりとご覧いただけるようにいたしました。一人でも多くの方にご覧いただき竹細工が出来あがる様子をお楽しみいただきいたと思っています。




いろいろある竹虎四代目の手提げ籠バッグ

 
手提げ籠、竹虎四代目


先日からレジ袋有料化がありましたので竹手提げ籠バッグを続けてご紹介させてもらっています。今日も梅雨空で雨ばかり降っていますけれど、たまたま晴れた日があって急いで自分の周りにある愛用している物から、今では編むことができなくなった物、試作した物など手提げ籠バッグを外に連れ出してみますと思ったより種類がありました。


籐手提げ籠バッグ


とっても好きなスタイルなのにあまり使っていない籠もあって今回嬉しい発見!?でした。すぐ近くに置いてあるのに籠に埋もれて(笑)出てきたのが軽くて強い籐手提げ籠。籐の籠は輸入のものも多く安価なイメージを持たれている方も少なくないのかも知れません。しかし、しっかりと国内の職人が編んだ籐籠はこんなに格好が良いものなのです。


白竹買い物籠


母が長年使っていた買い物籠を子供が手にできる幸せ。竹の素晴らしいところです。おっと底の足がひとつ無くなっているのに気づきました、竹を削って差し込めば数分で修理完了。色目の違うのが又いい、次のスズ竹市場籠にもご注目ください!


スズ竹市場籠


通常のスズ竹市場籠よりも高さを少し低めにした浅めの手提げ籠はあまり見ることがありません。深めの方が一般的にはオールラウンドに使いやすいからなのですけれど、自分は一目で形の違いが分かるこの手提げがお気に入りです。先程、ご注目と言いましたのは口巻の中央部分、少し分かりづらいですが一部分が白っぽくなっています。犬にかじられてしまったので籐を巻き直しています、こうやって修繕ができる加工性の高さが竹素材の嬉しいところです。


只今、スズ竹は開花のため材料不足が続いています。YouTube動画で紹介しています、このようなスズ竹職人の仕事が早く再開できることを願っています。




続々・プラスチック製買物袋(レジ袋)が有料化

 
白竹角籠バッグ


実は現在、自分が普段の仕事や生活で多用しているのは白竹八ツ目角籠バックです。昨日の30年ブログでは竹籠の軽さをお話ししましたけれど、この竹籠は結構重量感があります(笑)。試作したときの籠なのでウェブサイトで販売させてもらっている籠とは微妙に細かい部分が違っていて幅が少しだけ狭いのにも関わらず700グラムあってより重いのです。


白竹八ツ目角籠バック


本や書類はじめペットボトルの水まで重たい物から、衣類などもどんどん入れて使いたかったので太目の力竹で強さだけを考えて仕上げられています。


白竹八ツ目角籠バック


荷物の出し入れには持ち手が邪魔にならないように開く事も大切です、もちろん手にしっくりとくる藤巻きの持ち手が大きなポイントです。


白竹八ツ目角籠バック


現在の白竹八ツ目角籠バッグは安定感をだすため本当に少しですが幅を広げています。


白竹八ツ目角籠バック


レジ袋有料化は、竹籠に目を向けていただくひとつのキッカケにはなって欲しいとは思いますけれど例えば、仕事帰りにスーパーに立ち寄るといった実際の暮らしを考えて利便性だけをみれば折りたためる布のマイバックなどには劣ります。しかし、竹籠を使うことによって生まれる心の豊かさや安らぎは他にはないものです、竹籠を持つ方にはそんな毎日を楽しんでいただければと思っています。


続・プラスチック製買物袋(レジ袋)が有料化

 
根曲竹買い物籠


これから一番の使用頻度になりそうだと言う根曲竹買い物籠は兎に角いつでも自然に手にできるところがいい。無意識に手が伸びるのは何故かと考えれば、まずその軽さ、一本手の持ちやすさ、気兼ねいらずで扱える丈夫さだ気づきました。特に重量は大事なポイントで、リンゴの収穫などにも多用されてきた根曲竹お買い物かごは白竹八ツ目角籠バックなどと比べても半分程度の重さしかないのです。


根曲竹


伐採されて運び込まれた根曲竹の野性味あふれるような姿からもそれでいて粘りと堅牢さを兼ね備えた竹質が迫力と共に伝わってくるようです。


根曲竹買い物籠


この根曲竹の買い物籠は当社に長く勤めてくれている社員が20年愛用しているもの。今日は自宅前の畑になった丸々と太ったキュウリを入れて持って来てくれました。自分はすっかりを忘れていましたけれど、どうやら使い始めには自分が背中を押していたようです(笑)。20年の年月でなかなか渋い感じになってきています。


根曲竹買い物籠


ところが、これがまだまだ序の口。もっと長く使っていますと本当にこの籠のように飴色が深まり、ただならぬ風格が出てくるのです!その日が来るまで、せっせと使うだけなのです。




プラスチック製買物袋(レジ袋)が有料化

 
竹虎四代目、竹手提げ籠バッグ


7/1日からプラスチック製買物袋(レジ袋)が有料化されました。小さく折りたためて便利な布製のマイバッグを持ち歩く方が急に増えたように思いますが、自家用車移動が多い自分は車に常備させている竹手提げ籠バッグで買い物に行こうと思ってこの機会に自分の手提げ籠バッグを見直してみました。


籐手提げ籠


手提げ籠バッグといいましても実に種類があります。真竹でも買い物以外にも本や書類を入れたり、衣類や小物やなんでも放り込んでいつも使っている白竹の角籠バッグはじめ磨きの籠があり、青物籠があり、淡竹で編んだ籠、もちろん虎竹の籠、そして定番のスズ竹、根曲竹、籐籠もあれば一閑張り買い物籠、アダン籠までありました。さらに形や編み方、職人が違うのでまさに千差万別。竹虎のウェブサイトでも、あまりにレア過ぎたり製造が出来なくなったりして皆様にご紹介できていない竹籠が以外に多くありますのでご紹介したいと思ったのです。


根曲竹杖


さて今回一番使い勝手が良くて出番が増えそうだと思っているのが根曲竹の買い物籠バッグ。堅牢さではスズ竹をしのぐ強さがあって昔はステッキに使われていたほどなのです。これだけ細い竹でご存知ない方でしたら少し心細くなりそうなものですけれど自分の体重くらいでしたら、しなる事はあっても折れたり割れたりする事なく安心して使える強度です。YouTube動画の中にもステッキが登場しますので是非ご覧ください。




これであなたも竹職人の仲間入り!?

 
竹職人


手作りに関心のある方は結構多くてご自分の空いた時間を利用して色々なモノ作りにチャレンジされています。講師の先生がいて教えてくれる教室もあれば通信教育のようなものもあって、前に見たことがありますが本当に様々な習い事があることに少しビックリした事を覚えています。料理などは詳しく解説されていると聞ききますので、もしかしたら最近ではYouTube動画をご覧になりながら趣味を楽しまれている方もおられるかも知れません。


やはり日本人と竹は長い長いお付き合いがあります、今まで竹など全く知らなかった方でも歳を重ねるごとに何となく竹が気になりだす事は自然のように思います。そして中にはご自分で籠やざるを作ってみたいと考える方もおられるのです。実はそんな方からのお問い合わせも前々から沢山ありますので竹虎では【竹編み職人なりきりセット】届いたその日から竹職人、すぐに編み始められます。虎竹細工編み方・作り方キット(DVD付き)というセットをご用意しています。


日本唯一の虎竹、竹虎四代目(山岸義浩)


このセットさえあれば、自分の編んだ世界にひとつだけの虎竹花籠「松田一輪」が完成します(笑)。多くの皆様が少し誤解されている事があるのですけれど、竹籠を作る場合やはり一番大変なことは竹ヒゴを取る事です。編むという工程ばかりがクローズアップされていますから見落としがちですけれど良い竹ヒゴができないと良い竹細工は生まれません。


ただ、こちらのセットでは竹ヒゴが8割、竹編みが2割と言われるほど大変な竹ヒゴは折れることも想定して必要分以上に用意してセットにしてありますのでお手元に届いたらすぐに編み始める事ができます。DVDだけで編めるのだろうか?初めての方の心配もご無用です!毎年インターンシップの学生さんたちがこのセットを使って花籠を製作しています、もちろん当社の職人は全くお手伝いはしません。しかしそれでも早い方なら2時間、遅い方でも学生さん同士で助けあいながら4時間程度で作り上げています。


何といいましても日本唯一の虎竹で花籠ができると言うのが嬉しいところ。分かりやすいようにプロの方にお願いして作ったDVDがかなり費用かかりましたので全く赤字のセットですけれど虎竹に親しんでもらえれば良いと思っているのです。




伝統の国産竹皮草履作りを支えるモノ

 
竹皮草履


竹皮草履は鼻緒の雰囲気でかなり変わります、天然藍染めの生地を使ったものはキリリと引き締まってワンランクアップした上質感が漂っているのです。


淡竹竹皮


そんな竹皮草履の材料集めも今月いっぱいくらいでしょうか、雨ばかり続く季節にしか集めることのできない竹皮ですが孟宗竹、真竹は本体編み用として、また淡竹は前ツボ部分用にと、まさに日本最大有用竹の皮を集めて活用しています。


竹皮


長雨の晴れ間を見ては、このようにして集めてきた竹皮を天日干しします。一日干して風で飛ばされたものを集めて納屋に仕舞い、また翌日天気をうかがいながら乾燥させるという昔から変わらないリズムがここにはあるのです。


竹皮ぞうり製造


竹皮草履を編む工程をご覧になって竹皮の中にナイロンロープが使われていると心配される方がおられますが誤解です(笑)。仕上げの段階でナイロンロープは引き抜かれて中に芯材として残っているのは地元産の藁で作った藁縄だけです。


竹皮草履用稲わら


地元産の藁は近くの農家さんの田んぼの刈り入れ等を手伝って確保しています。思えば本当に自然の恵みから生まれたものだけで出来ている竹皮草履なのです。


稲打ち機械


大きな機械が鎮座しています。凄い迫力ですけれど、それもそのはず実はこれは稲藁打ち機械、竹皮草履職人達にとっては守護神のような存在です。意外と硬い藁を細工に使用する場合は、まず柔らかくする必要があって昔は竹皮草履に使う稲藁も石の上に置いて木槌で叩いていました。ところがこれが重労働で古老の職人には大変な仕事だったのです。「この機械が無かったら15年前に辞めていた」そう話す職人もいるほどの効果抜群の働き者。YouTube動画で最初に出てきますので激しい音に驚かれないようにしてください。




横味噌こしザル×丸味噌こしザル

飯籠、竹虎四代目(山岸義浩)


ここにひとつ面白い竹籠があります。面白いと言っても自分の小さい頃には、このような縁側の上の軒先にはご飯を入れて吊り下げられていた普通の飯籠であり、おそらく今でも田舎の家を訪ねると台所の片隅や納屋に仕舞われているかも知れない何処にでもあったポピュラーな竹籠のひとつなのです。


飯籠


面白いと言うのは、この飯籠の成り立ちにあります。飯籠は、本体部分と蓋部分に分かれていますけれど良くご覧いただいたら、それぞれの編み方が違うのにお気づきいただけるはずです。ご飯を入れる本体部分は横編みと言って竹ヒゴが手前から向こう側に向かって編まれてるのに対し、蓋部分は菊底編みで編まれているので竹ヒゴは丸い形に沿ってグルグル回っています。


飯籠


かっては味噌こしに使われる事が多かった事から「横味噌こしザル」と呼ばれていた本体の竹編み。


飯籠


こうすると分かりやすいかと思いますが、そんな本体部分に対して蓋は「丸味噌こしザル」ともいう菊底編み。放射状に伸びた少し幅広の竹ヒゴに、細い竹ヒゴを回りして編まれています。


めしかご


今では家電の発達、生活様式の変化で飯籠を使うご家庭はほとんどありませんので、本体編みの部分はサイズも小さくして米研ぎざるとして残っています。


飯籠


蓋部分も水切りに使って頂きたいと思って足を付けて台所籠として製造は続いています。


手付きメシカゴ


それぞれ違う編み方を併せて一つの飯籠として販売されていたのは、生活道具として飯籠が無くてはならなかった時代でした。大量生産に応えるために実は本体部分と蓋部分は別々の職人達が作っていたのです。まず「横味噌こしザル」を編むと、今度は別の職人がそのザルの形に合わせて「丸味噌こしザル」を蓋として編んでいきます、編み方が違えば材料の竹ヒゴの取り方も違うので効率化を極めた結果でした。


飯籠の蓋は「カチリ」と音をたてて閉まります、これは非常に難しい熟練職人の技なので蓋作りの職人もさぞ大変だったのではないかと思います。それにしても隣合わせた集落で150人もの職人達が、一方は「横味噌こしザル」をもう一方は「丸味噌こしザル」を編み一つの製品として日本中に販売されていたとは本当に夢のような話。皆様にお届けさせていただく竹編みひとつひとつはそんな夢の続きなのです。




パリで再開したフランス国内巡回展「日本の日常生活の中の竹」

 
米とぎざる


たとえば、この普通に見える米研ぎざる一つにしても国産の良いものを求めようと思えば実はなかなか少なくなりました。この竹編みは最近ではあまり見ることのない淡竹(はちく)が使われています、昔ながらの手練れの職人は節が低く粘りがあると好む竹材です。何を隠そう虎竹も淡竹の仲間なので、このざるが生まれる工房の材料置き場に行くだけで何かワクワクしてきます。


生活に密着してきた竹細工は、日本の暮らしをそのまま生き写しするようなものです。昔の大家族の頃の米研ぎざるや味噌漉しざると言えば一抱えもあるよなうな大きなものがありましたが、現在竹虎で紹介するサイズは23㎝か25㎝サイズまでです。


パリ展示会候補の竹籠


都会ではお一人暮らしの割合が自分の思っている以上に多いことに驚いて数年前からはお一人様用の椀籠なども作るようになりました。職人が遊びや力試しに通常編んでいる籠のミニチュアに挑戦することがありますけれど、少し大袈裟に言えば、段々とそんなレベルに近づきつつあります。


長く続いてきた日本の伝統竹文化はこうして少しづつ微妙な変化をしながら今がある、そんな事も今回のフランス国内巡回展「日本の日常生活の中の竹」ではお伝えしたくて作品を選びました。不思議なものです、昨年末に長い時間をかけて厳選した竹細工たちではありますが、今考えば又まったく違くチョイスになりそうです(笑)。


パリ竹展示会場


パリは日本と比べるとずっと厳しい外出制限があったと聞いていますので本当に大変だったと思います。まだまだ油断はできないかも知れませんけれど中断していたフランス国内巡回展「日本の日常生活の中の竹」が再開したと嬉しいお知らせをいただきました。パリ会場は9月末までこちらで開催されています、1, rue Dante, 75005 Paris(tel : 01 44 41 50 10)関心のある方には是非足を運んでいただきたいです。


箕職人


また、パリ会場終了後は下記のリオン、ツールーズの各会場で開催予定です。詳しい企画内容、日本の竹についてはリンク先にも掲載されています。何卒よろしくお願いいたします。


■リオン会場
会期:2020年10月以降
46 Rue du President Edouard Herriot 69024 Lyon, tel : 04 78 38 30 40
■ツールーズ会場
会期:リオン会場終了後
5 Rue Croix Baragon 31000 Toulous, tel : 05 61 14 51 50