夏といえば必ず登場する竹細工のひとつに黒竹ビール運びがあります。はじめてご覧になられる方も多いかも知れませんが、2本用、3本用、4本用とあって、4本だと結構重さもある瓶ビールをしっかり受け止めて持ち運べる強度も十分の黒竹製品です。
現在はご自宅で晩酌にビールだと缶が多いように思います。自分の小さい頃には普通にあった竹根の栓抜きなども、もしかしたら珍しいのでしょうか?
さて黒竹ですけれど、黒い色合いが美しく細身の竹なので丸竹のまま使われる事も多い竹です。
このようなお客様のご要望サイズで別誂えした玄関すのこにも黒竹を使います。ただ、竹は真っすぐだと思われる方が多いようですが、そのような竹は一本もありませんのでこのような製品に製造するため黒竹をまっすぐに矯め直す加工が必要なのです。
曲がった竹をこのように矯正する熟練の技がある一方、黒竹ビール運びのように曲げていく仕事もあるから職人の仕事は奥が深いです。
黒竹ビール運びを底部分からご覧いただきますと、曲げた黒竹ばかりで作られているのがお分かりいただけます。矯め直されて真っ直ぐになるのも竹、S字カーブのような曲線を作り出すのも竹、竹はどこまでも面白い素材なのです。
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