昨日の30年ブログでお話しさせて頂きました無双籠の色艶をご覧いただきましたでしょうか?そもそも無双籠は冬場のお茶の間でコタツが一般的だった時代には、まるでセットでもあるかのようにミカン等を入れる籠として何処のご家庭にも置かれてた普通の籠のひとつでした。
ある年代以上の皆様はハッと思い出された方も、きっとおられると思いますが、その普段使いしていた籠が漆を塗布する事によって生まれ変わったのです。この深みのあるテリ感!いつもの無双籠と比べてみれば一目瞭然、これだけ色合いが違います。長く日本で使われ続けてきた漆を改めて見直してしまいます。
YouTube動画をご覧いただきました皆様はご存知のように何故このような加工をすることになったかと言いますと実は海外に暮らされているお客様からのオーダーだってのです。お住いの国は非常に湿度が高く日本の竹籠を何度か持って行ったそうですが、どれもダメになってしまうので何とか方法がないだろうか?というご相談でした。そこで耐久、耐水、断熱、防腐性に優れていて現在でもこれに勝る合成塗料は無いと言われる漆を塗布することにしたのです。
以前も一度ご紹介いたしましたこの無双籠はまた雰囲気が違うかと思います。これは時間の経過で白竹が飴色となり見ようによりましては、まるで漆でも塗布しているかのように変色しています。しかしこれは自然に長い時間をかけないと生まれない風合い、また格別の貫禄を醸し出しています。
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